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I LOVE 「ファントム」

Posted March. 15, 2005 22:40,   

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公演のない月曜日だった14日午後8時。しかし、いつもとは違ってソウル芸術の殿堂自由小劇場内には、明るく灯がついていた。

まるで秘密結社の印でもあるかのように「黒いリボンを結んだ赤いバラ」を手に持った観客が、一人一人小劇場に集まってきた。

自由小劇場の床まで埋め尽くした200人以上の観客は、ピアノ一台が置かれた、何もない舞台を見ながら静かに待っていた。「ファントム(幽霊)」の出現を。

▲ファントム、韓国の「ホリック」を魅了する

同日、自由小劇場では、ミュージカル『オペラ座の怪人(韓国でのタイトルは「オペラの幽霊」)』のファンのみを招待した「特別公演」が行われた。6月10日から3ヵ月間、ソウル芸術の殿堂オペラハウスで長期来韓公演を披露する『オペラ座の怪人』の主役俳優3人が、事前に「ファンの集い」を行ったのだ。『オペラ座の怪人』を早期前売りした観客と、インターネット・ファン・カフェの「ファンフィル(Phan−phile)」の会員が、抽選を通じて無料招待された。

いよいよ「ファントム」のブラッド・リトルが登場した。米国ブロードウェー舞台に立った彼は、歌の実力とハンサムな外見、演技力と3拍子揃っていると評価されるトップレベルの役者。

彼がピアノ伴奏に合わせて「ミュージック・オブ・ザ・ナイト(Music of the Night)」を歌いはじめた瞬間、観客の手が一斉に上がり、数十台のデジカメや携帯カメラの「画面」が客席に浮かんだ。

国内ミュージカル・ファンはほとんどが20代の女性だが、同日の客席には中高年の夫婦も見受けられた。

歌が終わるや、あちこちから「ブラボー」という歓声と口笛が聞こえた。ファントムが正確な韓国語で「ありがとうございます」と挨拶をし、拍手はさらに大きく響いた。

最前列に座っていたオ・ミスクさん(41、主婦)は「ファントムの歌を目の前で生々しく聞けて、本当にうれしい限り」と興奮を隠せなかった。

▲インターネット大国が生み出した新しいファン文化

一人の男性観客がファントム役のリトルに「とてもハンサムだけど、公演中マスクをしていなければならないことが悔しくないか」と質問した。ファントムが「They pay me a lot of money(その代わり、給料が高い)」と冗談を飛ばすと、爆笑が起こった。

小ぢんまりとした小劇場の雰囲気のお陰で、俳優たちと客席は壁を壊して一つになった。醜い顔のために独りぼっちになったファントムの痛みを語る中で、リトルは難読症のためいじめを受けた自分の子ども時代の経験を明かした。

1時間20分余りの行事が終わりを迎えた頃、ファンクラブ会員で「マニア」レベルを超えて熱血ファンを指す「ホリック(中毒者)」等級の会員3人が舞台に上がり、俳優たちに花束を贈った。続いて、俳優たちが舞台を降りてきて客席の真ん中に行き、ファンと記念撮影を行った。

イベントを企画したソル・トユン(ソルアンドカンパニー代表)プロデューサーは、「今回は長期の来韓公演であるだけにマニア層の初期の反応が重要なため、このような場を設けた」と話した。

俳優とともに訪韓した『オペラ座の怪人』の制作会社「RUC」のティム・マックファーレン代表は、「ネチズンのファンクラブを招いてファンと俳優が出会うこのようなイベントは、インターネットが発達した韓国であるために可能なユニークな行事だ。ネチズンによる「口コミマーケティング」の効果が大きいはず」との期待を示した。02−501−7888



康秀珍 sjkang@donga.com