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戸主制、歴史の中に消え去る

Posted February. 03, 2005 22:36,   

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戸主制とは、家族を代表する男性家長が財産の処分と家族の結婚などに対し優越した権利を行使する制度だ。民法は戸主と家族の概念を、「一家の系統を承継する者」「戸主と同じ戸籍である者」と規定し、戸主制を明文化している。

国民ひとり一人の身分関係を公的帳簿に登録する戸籍は、近代以前にもあった。しかし、現在のような戸主制と家族概念は、日本植民地時代の1915年、民籍法改正以後登場した。強力な戸主権を中心に家制度を構成しようとした日本の明治民法における戸主制が導入されたのだ。

民法上の戸主制は、△家族間の縦の関係△男性優位の戸主の承継順位などを強制しており、女性界から廃止の要求が絶えなかった。

戸主の承継順位は、戸主の息子→孫→未婚の娘→未婚の孫娘→配偶者→母→嫁の順になっており、娘しかいない場合、壻が入夫婚姻をして外孫が系統を受け継がなければ、その家は断絶することになる。

このため、男子を好む傾向と女児堕胎が絶えず人権問題が提起され、出生性比の不均衡までもたらした。

また、女性は結婚すれば自分の実家でなく夫の家族の一員になり、妻は夫の保護の下で、その権威に従わなければならないという観念が形成され、家族内での男性の権威的行動が正当化された。

夫は妻でない他の女性との間で生んだ子供を、妻の同意を得なくても自由に入籍させることができ、再婚家族の子女たちは継父と名字が違うため、日常生活で苦痛を受けることもあった。

戸主制を廃止しようという主張は数十年前から引き続き提起されてきたが、儒教信奉者たちの激しい反対にぶつかって受け入れられなかった。そうしている中、女児堕胎問題の深刻さに気付いた漢方医の故ウン・グァンスンさんの主導で1998年に「戸主制廃止のための市民の集い」が発足し、2年後には113の団体が参加して「戸主制廃止のための市民連帯」を結成した。

同年、戸主制違憲訴訟を準備するための集いが結成され、違憲訴訟原告人団を募集し、翌年4月4日、憲法裁判所に違憲訴訟が提起され、今回の憲法違反決定が下された。これで、戸主制は公式導入90年にして、歴史の中に消え去ることになった。



金眞敬 kjk9@donga.com