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[社説]国家保安法廃止を押し通してはいけない

[社説]国家保安法廃止を押し通してはいけない

Posted October. 12, 2004 23:32,   

与党ヨルリン・ウリ党は国家保安法廃止という党方針を確定し、刑法を補完する3案と代替立法1案を提示したが、廃止に近い内容なら、安保空白をもたらす恐れがある。保安法の存続に意味があると思う国民意識と、安保不安心理を考慮して、改定案については内容と形式で慎重な取り組みが必要だ。

与党は、「人権侵害の恐れのある要素を無くしながら、国家安保に一寸の隙間もない、目がきめ細かい網を作る主旨で、4案をまとめた」と言う。主旨がそうなら、「廃止」ではなく、「維持」を骨格にした改定補完でなければならない。与党は刑法に吸収統合する方に重点を置いているようだが、北朝鮮は韓国にとって外国ではない。だといって、政府を僭称する反乱団体と見なすのも現実と合わないなら、北朝鮮による国家安保威嚇行為を治める別途の立法が適切だ。

北朝鮮は対話して交流する相手であると同時に、韓国の安保を脅かす敵対勢力だ。北朝鮮は核兵器開発疑惑を受けており、長射程砲で首都ソウルに脅威を与えている。敵対と交流という二重的な南北関係で、交流という一方の側面に傾いてはいけない。そのいう意味でも、与党の4案はあまりにも多くの条項を削除して「粗い網」のような印象を与える。

過去、保安法を濫用して人権をじゅう躙した独裁政権は消え去った。旧時代に恣行された人権侵害の恐れを名目に、法的な武装解除に近い立法をしてはいけない。与党は代替立法案の名称に国家安全保障特別法(国家安保法)を考慮すると言いっているが、既存の保安法と文字一つの順が変わっただけでないか。与党が過度に「廃止」の大儀名分に拘ってないのか、深く考えてみることだ。

野党も一部問題視される条項は改定する意思があると明らかにしただけに、国民の安保不安心理を落ち着かせるような代案を提示しなければならない。与野党が条項別に具体的な合意をした後、国民的同意を得て保安法を改定するのが望ましい。保安法廃止を押し通してはいけない。