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血を分けてください

Posted August. 18, 2004 22:36,   

数日前、ソウル大病院の血液銀行が非常事態になった。O型血液の在庫がなく、緊急な脳手術を控えたアン氏(75)の手術が難しくなったのだ。

血液銀行の実務責任者である金東燦(キム・ドンチャン)氏は事態を即刻上部に報告した。すぐに病院の社内掲示板に呼訴文が上がった。「O型血液が不足しています。O型の職員の皆さん、献血してください!」

職員30人が献血した結果、同患者はやっと手術を受けることができた。血がなくて手術スケジュールに差し支えがもたらされたのは、ソウル大病院歴史上、初めてのことだ。

10日、ソウル江北三星(カンブク・サムスン)病院。チャ氏(62・女)が胃癌手術を受ける途中、危ない状況が発生した。チャ氏と同じAB型血液が底を付いたのだ。翌日まで輸血がなされなければ、生命を保障できなかった。急いでソウルに来た親戚たちから輸血を受けて、チャ氏は危険を免れることができた。

一線病院ごとに史上最悪の血液不足事態に瀕している。汚染血液流通の波紋で急減した献血がめったに増えず、手術をしなければならない医療陣は緊張感を緩められないでいる。

▲血液在庫高が最低水準〓本報取材チームが18日、大学病院を対象に調査した結果、全ての病院が深刻な血液飢饉に苦しんでいることがわかった。

ソウル大病院の場合、同日、血液保有高は200〜250ユニット(1ユニットは通常血液400mL)。昨年同期の在庫高は350〜400ユニットだった。

他の病院らもほぼ同じ状況。セブランス病院、三星ソウル病院も特に、O型血液が不足で、保有高が必要量の30%水準に過ぎない。漢陽(ハンヤン)大病院も全体血液必要量の40〜50%しか確保できてない状態だ。

▲血液確保に総力〓全ての病院が職員を対象に献血キャンペーンを進行中だ。セブランス病院は各部署に、「献血した職員は日課時間に便宜を図ってあげるようにしなさい」と言う公示まで回した。

高麗(コリョ)大病院は、中央血液院から血液を供給してもらうこととは別途に、自己救済策作りに乗り出した。9月から、高麗大サークルから献血を受けることにしたのだ。

血液が絶対的に不足している状況で、一滴の血でも節約しようというアイディアも続出している。

病院らは多くの患者が同時に手術する場合、血が少しでも残ったら、近くの手術室に緊急輸送するなど、「007作戦」を彷彿させる血液節約運動を繰り広げている。

三星ソウル病院は手術途中に患者が流した血を特殊装置(セル・セイバー)で回収した後、再び使う方案を導入した。一種の血液リサイクル・システムだ。

患者の家族から血をもらう「指定輸血」、手術前、自分の血をあらかじめ保管しておく「自家献血」も拡大している。

▲代案はないのか〓問題は今後も、血液供給が改善される可能性がほとんどないということだ。

金大元(キム・デウォン)三星ソウル病院診断検査医学科教授は、「このまま行けば、今後、患者が血液供給者を連れて来なければ手術できない状況が発生するかも知れない」と懸念した。

金賢玉(キム・ヒョンオク)延世大診断検査医学科教授は、「70歳まで献血を許容する外国のように、60歳に制限されている献血年齢を調整する必要がある」と言った。



金相勳 孫宅均 corekim@donga.com sohn@donga.com