
「これからはベスト4だ」
0—3でリードされていた絶望的な状況から3—3の同点に追い付いた7分間の劇的なサッカードラマだった。そして、中心には曹宰榛(チョ・ジェジン、23、清水)がいた。
18日、ギリシャ・テサロニキ・カフタンジョグリオスタジアムで行われた04アテネ五輪男子サッカーA組組別予選第3戦。韓国はマリと3—3の引き分けを記録して無敗(1勝2引き分け)でベスト8進出を決めた。マリとは勝ち点では同じだが、ゴール得失点差で立ち遅れて2位。
韓国サッカーが五輪でベスト8に勝ち進んだのは1948年ロンドン五輪以後56年ぶりのことだ。この日、韓国は前半6分と23分、そして後半9分に、マリのウンディアイェ連続ゴールを奪われて0—3にリードされて敗色が強まった。この危機の瞬間に韓国チームを助けた選手が曹宰榛。
曹宰榛は後半12分、金東進(キム・ドンジン、ソウルFC)のセンタリングを受けてヘディングでゴールを決めたことに続いて、その2分後に再び金東進のセンタリングを頭で合わせて2回目のゴールを決めた。これに驚いたマリの守備陣は後半9分、再び崔成国(チェ・ソングク)のセンタリングが上ってくると、曹宰榛の守備に汲々したあまり、戸惑った守備手タンブーラがヘディングで自責ゴ−ルを入れてしまった。
金鎬坤(キム・ホゴン)監督は、「地獄と天国を行き来した試合だったが、メインストライカーの曹宰榛の得点砲が再び稼動し始めたため、攻守に組織力が生まれ、戦力をフル稼働できるようになった」と喜んだ。
韓国はこれに先立って組別リーグ予選でギリシャとメキシコを相手に3ゴールを記録したが、このうち1ゴールは相手の自責ゴール、2ゴールは金東進と金正又(キム・ジョンウ、蔚山現代)の2人のMFが中距離シュートで決めたもので、攻撃手は1ゴールも記録していなかった。
しかし、02年五輪代表チームに選ばれてから最多得点の9ゴールを記録している「主砲」の曹宰榛がこの日生き返ったことで、韓国サッカーは五輪史上初めてのベスト4進出のみならず、初メダル獲得まで期待できるようになった。
曹宰榛は、「予選でゴールが決められなくてもどかしい気持ちでいたが、マリ戦で仲間たちの良いアシスタントのおかげで連続ゴールが決められ、自信を取り戻した。これから相手チームがどこであれ、ゴールを決められるという自信ができた。8強戦で最善をつくす」と覚悟を述べた。
韓国は22日午前3時、テサロニキでB組1位チームとベスト4進出をかけて戦う。C組では五輪出場チームの中で最強戦力に挙げられるアルゼンチンが豪州を1—0で破って3連勝をマークし、組1位でベスト8に進んだ。
梁鍾久 yjongk@donga.com






