Go to contents

元北朝鮮スパイの「民主化認定」、補償委員会が棄却決定

元北朝鮮スパイの「民主化認定」、補償委員会が棄却決定

Posted July. 06, 2004 22:25,   

疑問死真相究明委員会(疑問死委)が民主化運動と関連した疑問死と認定して移送した北朝鮮スパイ関連事件に対し、民主化運動関連者名誉回復および補償審議委員会(民主化補償審議委員会)が6日「スパイは、民主化運動関連者として認められない」と棄却決定を下した。

今回の決定は、疑問死委が1日、元北朝鮮スパイと元パルチザン活動家のソン・ウンギュ、チェ・ソクキ、朴ユンソ氏など、非転向長期囚(国家保安法違反で逮捕され、思想転向を拒否した長期囚)3人の思想転向拒否を民主化運動と認め、論争を呼び起こしている中で出たもので注目される。

民主化補償審議委員会は同日、疑問死委が民主化運動関連者の認定を要求した李ソンハン、ピョン・ヒョンマン、金ヨンソン氏など2件のスパイ関連事件に対して、委員のうち棄却7人、認定2人で棄却決定を下したことを明らかにした。

民主化補償審議委員会は「民主化運動とは、自由民主的な基本秩序を土台に大韓民国の正当性と存在を認めることを前提にするものであるため、大韓民国の憲政秩序を否定し、国の安全を脅かした人たちが収監中に反民主的な悪法の廃止を主張したからといって民主化運動関連者として認めることはできない」と、棄却の理由を明らかにした。

ピョン・ヒョンマン氏は、北朝鮮出身で北朝鮮軍に入隊し、休戦ライン近くでスパイとして活動。1958年に逮捕され国防警備法違反の疑いで中央高等軍法会議で懲役15年を言い渡された。1973年に満期出所したが、要視察人物に分類され、清州(チョンジュ)保安監護所に収容されている。

金ヨンソン氏は、慶尚北道聞慶(キョンサンブクト・ムンギョン)出身で、韓国戦争の最中に北朝鮮入り。1957年に韓国に送り込まれスパイ活動をしているところを1962年に逮捕され、陸軍高等軍事裁判所で15年刑を言い渡された。1977年に満期出所したが、保安監護処分を受けて清州保安監護所に収容されている。

ピョン氏と金氏は、その後、清州保安監護所に収容されていた1980年7月、社会安全法の廃止と保護監護制度の撤廃などを主張してハンストを繰り広げたが、監護所側がハンストを中止させるために強制給食を行う途中、呼吸困難で死亡した。

疑問死委は02年9月、ピョン氏と金氏に対して、民主化運動と関連し、違法な公権力の行使によって死亡したことを認めた。

当時、疑問死委は「保安監護処分の不当性を国民に知らせることで、国民の自由と権利を回復・伸長させた。スパイ行為の刑期は終了したので、強制給食を前後した行為だけが民主化運動の判断基準になる」と明らかにした。



李賢斗 ruchi@donga.com