「イラクとアルカイダの間には、古典的なテロ組職と現代的殺人テクニックの邪悪な関係がある。その関係で中心的な役割をしているのが、アブムサブ・ザルカウィ氏だ」。パウエル米国務長官は昨年初め、国連でイラク侵攻の正当性を強調し、ザルカウィ氏に言及した。過激イスラムテロ組職のリーダーが、国際舞台で初めてスポットライトを浴びた瞬間だった。イラクとアルカイダが関係あるというこの主張は、先週、米議会の「9・11テロ真相調査委員会」によって公式に否定された。しかしザルカウィ氏の悪名は消えなかった。金鮮一(キム・ソンイル)氏を拉致して殺害の脅威を与えるテロ組職を、彼が指揮している。
◆オサマ・ビンラディン氏の出身背景が広く知られているのに対し、ザルカウィ氏に対する情報は多くない。懸賞金ポスターでさえ、身長と体重を「未詳(unknown)」とする程だ。1966年にヨルダンの貧しいパレスチナ人家庭に生まれ、両親と死別し、高校を中退したということなどが、せいぜいである。ビンラディン氏と協力しているのかどうかに対する分析も、様々だ。むしろ、ビンラディン氏のリーダーシップに挑戦しているという話もある。CNNの表現を使えば、彼は「孤独なオオカミ」だ。アルカイダと離れて独自活動をし、中東からアジア、欧州まで神出鬼没に撹乱し、テロを行うからだ。
◆アフガニスタンを侵略した旧ソ連に対抗して、ジハード(聖戦)に飛び込んだが、今ザルカウィ氏の敵は米国、そして民主主義だ。人間が人間を治める民主主義は、唯一神に対する人間の服従を強調したイスラム原理に合わないというのが、極端主義の論理である。不正腐敗と貧富の格差、青年失業など、アラブ世界の問題は、すべて米国という敵に投射される。先月、米国のニカロス・バーグ氏を殺害し、「神の宗教に向けた怒りは、どこにあるのか」と叫んだが、その野蛮な行為に世界が激怒した点に対しては、徹底して背を向けた。
◆状況が革命的に展開すればするほど、過激な性向が勢いを得るという。フランス革命期に穏健ジロンド党ではない急進ジャコバン党が、ロシア革命期にメンシェビッキではないボルシェビッキが勝利したのがその例だ。しかし、過激なテロリスト・ザルカウィ氏の残忍非道によって、世界の人々やイラクを助けようとする韓国人がムスリムに対して見せた一抹の支持と憐れみまでも、背を向けられることになるか心配だ。
金順徳(キム・スンドク)論説委員yuri@donga.com






