ヨルリン・ウリ党の鄭東泳(チョン・ドンヨン)議長が、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領に対する弾劾訴追案を撤回するために、ハンナラ党の朴槿恵(パク・グンヘ)代表との2者会談を提案したことは、時期的に適切な解決策ではないと考える。鄭議長は「憲法裁判所でいかなる決定が下されても、互いの傷としこり、国論分裂、国家的エネルギーの浪費を避けることができないためだ」と理由を説明した。提案が適切かどうかはさておき、そのような可能性を憂慮する国民が多いことも事実だ。しかしもはや機を逸してしまった。
すでに憲法裁の裁判手続きがかなり進展している。1、2次に続き3次公開弁論の日時まで決まり、国会訴追委員側は、盧大統領の側近を含め29人に対する証人申請も終えた。関心は盧大統領が公開弁論に出席するかどうかに傾いている。このような状況で撤回を持ち出すことは、新しい論議の種を生む可能性が高い。
撤回を望むなら、もう少し急ぐべきだった。弾劾逆風が吹き、支持率が急騰した時に一歩さがって、弾劾案の判決後を心配するべきだった。弾劾案の国会可決後の総選構図を「弾劾賛成対反対」に持ち込み、今になって撤回しようとするなら、誰がそれをそのまま受け入れるだろうか。鄭議長の提案に対して、ハンナラ党が「老人卑下」発言への反発をなだめ、弾劾の火種を再び活用するための高度の政略だ」と見るのも決して無理ではない。
今となっては、静かに憲法裁の判決を待つのが最善である。ただでさえ、総選挙が人物と政策対決は見えず、「弾風」、「老風」、「朴風」などの風が吹き荒れているという憂慮の声が高い。弾劾問題だけでも、脱政治化しなければならない。それが憲法裁判決後の混乱を減らす最も現実的な道である。






