総選挙3日前までにしてもスペインでは政権党の国民党がわずかの差で勝利するだろうとの観測が体勢だった。マドリッドで大規模の爆弾テロが発生して状況は一変した。反政府団体が黒幕だろうという政府の発表と異なり、アルカイダが自分たちの犯行だと名乗ったのだ。怒った市民は「米国を支援してイラク戦に参戦した政府が結局テロを引き起こした」とし、野党に票を投じた。怒り、悲しみ、恐怖など選挙前の思いがけぬテロ事件が有権者の心理と投票に大きな影響を与えたのだ。
◆スペインの総選挙と同日の14日に行われたロシアの大統領選挙は平穏だった。6人が出馬したにもかかわらず、有権者は「プーチン以外には知っている名前がなくて、プーチンに投票した」と話した。思いがけぬ変数は起きなかった。救急車の運転手に「投票しなかった患者は輸送するな」という指針まで出されたというのが反対派の主張だとすれば、変数が起きても結果は同じだったのかもしれない。マスコミと官権という最も効率的な選挙運動手段をブラジミール・プーチン大統領が握っていたからだ。対ロシア帝国の郷愁に憧れている市民、特にチャルを連想させるような強い男性像に魅かれている女性有権者にはプーチン以外の代案はないようだった。
◆20日に行われる台湾の総統選挙は1〜2%ポイント前後の予測不可能な状況だ。台湾独立を追い求める陳水扁総統は「当選しても中国との戦争はないだろう」と述べたのに対し、中国と平和共存を願う国民党の連戦候補は台湾史上最多の群衆が政権交代の集会に参加したと主張する。変数は愛国心と中国の動きだ。現状維持から脱しようとする台湾のいかなる動きにもめくじらを立てる中国がどう出るかによって、そしてその状況を台湾の国民がどう受け止めるかによって状況はいくらでも変わることができる。
◆有権者と握手するだけで勝敗の見当がつくという「ベテラン」もどうしようもないのが選挙の変数だ。大統領選挙直前に起きた1987年のKAL機爆破事件、92年の(地域感情を助長した)チョウォン河豚料理店事件、2002年の鄭夢準(チョン・モンジュン)氏の盧武鉉(ノ・ムヒョン)候補支持撤回などは誰も予想しなかったことだが、おびただしい影響力を与えた事件だった。それで選挙は当日でないと分からないという言葉さえ出回る。今度の総選挙には弾劾による後遺症が大きい。選挙まであと一月しか残っていない。
金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com






