借金の保証をしたことで一瞬にして全財産をなくし、何回も自殺を試みたある退職者の再起ストーリーが感動をそそる。特に彼の挫折と再起に関する話は、安易に人生を放棄する最近の一部の雰囲気と対照をなすという点で、さらに注目を浴びている。
ソウル大学研究公園創業保育センターで6人の職員を抱え、環境企業「エコバイオ」を経営している姜錫駿(カン・ソクジュン、61歳)社長。
彼は97年に急に訪れた為替危機の際、30年間セメント会社で働いて貯めた全財産をなくした。保証人になった友だちが130億ウォン規模の不渡りを出して破産したため、95年に退職金1億ウォンを投資して作った中小企業(セメント材料の生産)と京畿道(キョンギド)城南市(ソンナムシ)盆唐区(プンダング)所在の49坪のマンションが一瞬にしてなくなったのだ。
▲相次ぐ試練〓「泣き面に蜂」のようにリストラの竜巻に巻き込まれ、自動車会社に勤めていた息子(当時28歳)と建設会社に勤めていた娘(当時25歳)まで失業した。
姜社長は、「ある日、雑役に出ている家内の代わりに昼ご飯を準備していた息子に『父さん、もうラーメンも無い』と言われた時、家長として限りなく恥ずかしく、何とも表現できない悲惨な気持ちになった」と涙ぐんで語った。
当時、彼には絶望と挫折だけだった。家族の前に顔も上げられず、真冬に凍え死にする覚悟で、何回も登山者の少ない山に登り、落ち葉を布団の代わりにして焼酎を3本も飲み干して眠りについたものだった。
「当時は何も考えられませんでした。毎日『死のう』という考えで頭が一杯でした」。
▲再起のきっかけ〓98年の初め、偶然に会った知り合いから、恥も外聞も捨て、おかわりまでしてご飯を食べさせてもらった。そして、涙を飲みこみ、彼は考えを改めた。
「『もう土壇場だ。もう一回やり直そう』という考えが頭を打ちました。その時、初めて年老いた父と家族の生計のことが目の前に浮かんできました」。
その後、姜社長は1日も欠かさず朝早く国立中央図書館に行った。お金が無くて昼ご飯も食べられないまま、専門の化学工学分野を生かして殺菌機能のある「銀粉」研究に取り組んだ。家に帰った後は銀の皿を利用して実験をした。研究に研究を重ねた結果、彼は結局2000年頃、冷却塔や加湿器などの水中細菌を除菌できる「銀粉をメッキしたセラミック球」という技術の開発に成功し、すぐに特許出願をした。3年6ヶ月間の試練の末、60歳になった彼は01年8月に、ある投資家に会ってソウル大学研究公園に会社を設けた。
▲近況および助言〓姜社長は今年の2月、米国テキサスで行われた世界冷却技術協会の年次総会に参加し関連技術を発表して好評を受けた。今は国内大手企業の加湿器会社に製品を納品するために交渉中だ。
最近も姜社長は時間がもったいなくて1日4時間しか寝ていない。この頃は半導体のウェーパーや化粧品、医薬品の素材に使われるシリカーを、籾殻から抽出して商業化させる過程を研究中であり、生物がくっつかないペイントも開発中である。
姜氏は自殺まで試みた過去をふりかえながら、苦境に陥って自殺という極端な選択をしがちな人々のために次のように付け加えた。
「死ぬ覚悟でベストを尽くしたら新しい道が開けたんです。生まれ付きの健康体質のお陰もあったが、それより重要なのは精神力です。機会は必ずやって来ます。それから、つらい思い出は忘れるよう努力して下さい。」
jameshuh@donga.com






