大統領府の職員はみな大統領を補佐するが、その中でも大統領執務室のすぐ横で勤務する第1付属室長は「秘書中の秘書」であり、大統領の影といえる。したがって、大統領選挙の功臣でもある梁吉承(ヤン・ギルスン)第1付属室長が地方に行って、警察の捜査を受けている業者と同席して度が過ぎる接待を受けた事実が、公職社会に投げかけた衝撃もそれだけ大きくなるしかない。
請託かどうかは確認されていないが、大統領選候補の党内選挙が終わって1年が経ってから遅れて打ち上げの席をもうけ、大統領の側近を招待したのを、単にねぎらいの次元とだけ見ることができるか。梁室長をもてなした業者がその時は請託しなくても、後の機会のために事前に関心を買おとした意図がなかっただろうか。
職務上やむを得ない場合、1人当り3万ウォン以内の食事や便宜の提供だけを許容する厳格な公務員倫理綱領をもうけ、全国320の公共機関で施行してから、たった2ヵ月でこのようなことが起ったため、収拾は容易ではなさそうだ。さらに大統領府が簡単な独自調査を経て、口頭主義だけを与える線に止まり大統領に報告もしないと伝えられたことで、倫理綱領の実効性に、強い疑問が提起されている。これでは公職社会に法令が成り立つはずがない。
倫理綱領を大統領令として制定し、法的拘束力を与えたことは、まさに隠密な接待慣行と過ちがあっても適当に目をつぶる温情主義に寄生した請託文化と、不正腐敗を根絶するという趣旨だった。大統領府は、今からでもすべての経緯を徹底的に再調査して、厳重に責任を問わなければならない。さもなければ、倫理綱領は早々に紙切れになるかもしれない。
大統領府はまた、今回の事件は終わりではなく始めとなり得るという点を肝に銘じるべきである。誰であれ権力の「アメ」にてなづけられたら、緊張が急速に解けるものだ。特に社会経験が少なく、誘惑に鍛えられていない人の脱線危険は大きい。彼らを事前に間引かなければならないことも、大統領府の大手術が急がれる理由の一つだ。






