
「コエリョ式のサッカー」の希望を見せてくれた。
ウンベルト・コエリョ監督率いる韓国サッカー代表チームが、先月31日、東京国立競技場で行われた日本との親善試合で日本を1—0で下した。韓国サッカーは、この日の勝利でソウル試合(4月16日)の敗北を雪辱し、1981年3月8日以後、8回の東京遠征試合で5勝3引き分けを記録し、「東京不敗」の神話を守った。歴代戦績でも韓国が38勝17引き分け11敗と圧倒的な優位を占めている。
この日の勝利は「コエリョ号」の本格的な船出を知らせる信号弾。コエリョ監督が司令塔を務めて3試合ぶりで初ゴールと初勝利を収めた同日の試合は、「コエリョ・サッカーのカラー」が現われ始めたという点で大きな意味がある。
朝日、毎日新聞など日本のマスコミ各社も、1日付の新聞で一斉に「日本完敗」を見出しにするなど、韓国の優勢を認めた。
▲徹底した分析と処方
コエリョ監督は、「打倒日本」を目指して崔龍洙(チェ・ヨンス)をワントップに薛キ鉉(ソル・キヒョン)と車ドゥリを左右の攻撃型MFに配置する「第1案」と安貞桓(アン・ジョンファン)をワントップにして李天秀(イ・チョンス)を車ドゥリのポジションに配置する「第2案」を用意した。
パスが良い日本の体力を落とすため、前半は体力とスピードの優れた薛鐗鉉(ソル・ギヒョン)と車ドゥリを投入し、後半に入ってテクニックの良い安貞桓と李天秀にゴール狩りを任せた。後半41分の安貞桓の決勝ゴールはこうしたち密な作戦の成果。
MF陣の運営にも大きな変化があった。細密なパスに支えられている日本の組織力を無力化させるために、2人の守備型MFのうち1人を攻撃に回した。つまり、守備型MFが1人だけの「逆三角形体制」を構築することで、「4—2—3—1」から「4—5—1」のフォーメーションに変えた戦術の変化が特徴。「マルチプレーヤー」の柳想鉄(ユ・サンチョル)と李乙容(イ・ウルヨン)が攻撃的MFに、金南一(キン・ナムイル)が守備的MFになり、後半はミッドフィールドからの主導権を完全に掌握した。
▲日本のジーコ監督も認めた強い体力と圧迫戦術
ブラジル出身のジーコ日本監督は、「韓国選手の体力は本当にすごかった。MF掌握力も日本よりずっと良かった。日本も韓国のようにプレーしなければならない」と述べて、敗北を認めた。コエリョ監督は、「選手らに相手守備陣営を強く圧迫することで、ボールを奪い、守備を錯乱させるように注文したが、良い成果が出た」と述べた。
▲今後の課題
だからといって、コエリョ・サッカーが完成したわけではない。希望を見つけ出しただけだ。
専門家は、この日、15のシュートを放ちながら1ゴールしか決まらなかったのは、ゴール決定力の未熟さを現していると口を揃えている。少なくとも3ゴール以上は決められたはずの決定的チャンスを逃したうえ、バスの正確さもまだ不足しているという。また、側面センタリングとスルーバスがゴール前に殺到する攻撃手とすれ違う場合が多いのも、補わなければならないところだと指摘した。
韓国サッカー代表チームは、3日再召集される。8日にはウルグアイ、11日にはアルゼンチンとのAマッチが予定されている。場所はどちらもソウルワールドカップ競技場。個人技の優れている南米サッカーは、コエリョ号が乗り越えなければならないもうひとつのハードル。組織力、ゴール決定力、パッシング力のアップグレードが勝利を勝ち取るための必須課題だ。
金尙浩 梁鍾久 hyangsan@donga.com yjongk@donga.com






