北朝鮮の「核保有」発言は韓半島情勢を根こそぎに搖るがすメガトン級の衝撃だ。北朝鮮の核武装を阻止できるだろうという希望は、一瞬にして、北朝鮮が核を持って何か「いたずら」をしでかすのではないかを心配しなければならない憂慮に変わった。北朝鮮自ら認めた核保有について、その意図を分析しなければならないとして消極的な対応をする時期ではない。核の存在を認めた北朝鮮の李根(リ・グン)外務省副局長の発言は、韓半島に降りかかるかも知れない災いを予告する呪いのように聞こえる。
まず、韓半島周辺国の北朝鮮に対する見方と政策の変化が憂慮される。何より北朝鮮に対する米国の対応が変わる可能性が大きい。米国はこれまで、北朝鮮の核保有の可能性を取り上げはしたが、断定的に北朝鮮を核保有国だと明らかにしたことはない。米国は核を持った北朝鮮と共存する道を探るだろうか、それとも核の放棄を推進するだろうか。北朝鮮との交渉を懐疑的に考えているタカ派、3者協議を破局の舞台にしてしまった北朝鮮に対する反感、そしてイラク戦での勝利感など、米国内の状況を考えれば米国の選択は明らかだ。
北朝鮮の外務省スポークスマンは昨日、米国側に「大胆な解決策を示した」と明らかにしたが、米国は北朝鮮の主張を「脅迫」と受け止めている。両国が接点を見出すことができない可能性に備えるのが賢明のようだ。
北朝鮮の挑発に対して素早い対応をしてきた日本が核武装の動きを示したら、どう制止するつもりなのか。北朝鮮の核保有はアジア各国が核武装に出て「恐怖の均衡(balance of terror)」を追求する核競争を招く可能性もある。
われわれはこの無惨な現実の直接当事者だ。現実を認めて北朝鮮に対する考え方を変えなければならない。われわれがコメと肥料を送っている間、隠れて核兵器を作ったことが明らかになったにもかかわらず、北朝鮮を引き続き善意の対話相手とみなすことができるだろうか。北朝鮮の核放棄は政府が達成すべき目標だ。まず核保有について北朝鮮がわれわれに直接説明するように求めなければならない。






