李滄東(イ・チャンドン)文化観光部長官がいわゆる「ビック3」新聞にねらいをつけて、販売部数上位3社の市場シェアを調整する考えを明らかにしたのは、政府が国民の新聞選びにまで介入するということを意味する。新政権が、新聞政策に関しては、なりふりかまわぬ「意志」を確実に示したものと解釈される。シェアを低下させるためには強制に新聞の購読を切るようにするしかない。いったい、どこの国で、このようなとんでもないことが起きたことがあるのだろうか。
李長官は、新聞の上位3社の市場シェアが75%を占めるため、公正取引法が定めた独占寡占制限の対象になるという見解を明らかにした。上位3社は東亜(トンア)、朝鮮(チョソン)、中央(チュンアン)の新聞3社を指すものと思われる。しかし、どの統計資料でも75%というシェアの数値は出ていない。それよりずっと低い数値だけが出ている。このようなでたらめの統計をもって、国民の基本権である言論の自由に関わる政策の判断基準にしているのだから、あきれたものだ。
たとえ、シェアが高いとしても放送と比較してみなければならない。KBS、MBC、SBSの地上波テレビ局3社は売上高で85%のシェアを占めている。マスコミ産業全体の売上高規模を比較してみると、新聞より放送のほうがずっと大きい。市場の独占による「世論の独占寡占」が問題なら、放送の方がより深刻だ。新聞に独占寡占禁止法を適用できるかどうかも疑問だ。情報を伝え、世論を形成する新聞は冷蔵庫、洗濯機のような工業生産品とは区別される。政府が一部の新聞に対して持っている敵対感を赤裸々に表したケースだ。
李長官が新聞共同配達制に文化産業振興基金を支援すると発言したのも、納得のいかないものだ。新聞の配達と文化産業がいったい何の関係があるというのか、とても理解できない。しかも、彼の法的物差しが常識と論理を根拠にしているかについても疑問を抱かざるを得ない。
映画監督の時代、表現の自由を誰より擁護していた李長官が今は、先頭に立って言論の自由をい縮させているのは残念だ。李長官の非文化的で軽率な対マスコミ政策の「実験」は中断されるべきだ。






