
「手の神秘」の著者、米国のジョン・ネイピアー博士は「手を無くして人類の進化はなかった」と断言しており、旧ソ連出身の米国詩人ジョジフ・ブロドスキーは、手を指し「精神の刃」として褒め称えた。ところが、感染内科の専門医にとって手は、実に悩みの種である。手は、人の体の中で微生物が最も多く群がる「病菌の倉庫」であり、それこそ病の温床だというのだ。
このほどSARS(重症急性呼吸器症候群)防疫のために奮闘している国立保健院の権(コン)ジュンウク防疫課長は「手さえきれいに、きちんと洗えば、SARSをはじめとする大部分の伝染病を予防できる」と語った。
米国では、数億ウォンの滅菌および消毒装備を仕入れないまでも、医療スタッフが手さえきれいに洗えば、病院感染を40〜50%減らせるとの研究結果が出ている。
SARSが、どのようにしてウィルスを伝播しているかについて、100%確かな答えは現在ない。しかし、どのような場合であれ、手さえきれいに洗えば殆どが予防できるうえ、他の伝染病も同様だというのだ。
先ず、唾液にウィルスがある場合、1〜2メートル離れた距離まで飛んで行くことができるが、まっすぐ鼻や口に飛ぶことは少ない。衣服や体に付着したものを何気なく手で触り、再び口や鼻に手を持って行って感染する、というのが殆どのケース。
万が一、空気を通じて感染するとすれば、唾液が蒸発した後、その中にあったウィルスと混じった埃の粒子が、空気の流れに沿って移動することになる。この時は、マスクをすれば予防ができるが、この場合にも、大方体や衣服に付着した後、手を通じて呼吸器に感染する。
便を通じて感染する場合にも、手を洗うことの重要性は同じ。
問題は、手を適時にきちんと洗う人が少ないということだ。
手は△帰宅後△食事または調理する前△トイレから出る際には必ず洗わなければならない。頻繁に洗うほど良い。とりわけ、年寄りや慢性疾患を持つ患者は、頻繁に洗うようにする。子供たちにも、少なくとも食事の前、トイレを使った後は、必ず手を洗うように仕付けなければならない。
手は、石鹸で十分泡を出して洗った後、流水で隅々まで汚れを落とすようにする。
両手の指を交互に挟んで指の間を擦るようにし、指で手のひらを掻くようにして洗う。指は手のひらで包むようにして洗わなければならず、特に親指をきれいに洗うようにする。手のひらだけでなく、手の甲も洗うようにして、最後に両手の爪を合せるようにして擦る。
最近、蛇口に手をつけない自動水道や、足でペダルを踏むと水が出る水道を使う所があるが、これは皆、衛生のためである。手を洗って蛇口を閉める際に、蛇口に付いている病菌が移る可能性があるからだ。
日ごろ、顔に手を持って行く習慣をもつ人は、この癖を治さなければならない。子供たちの、唾をつけて本のページをめくる癖も治すようにした方が良い。
ニューヨーク・タイムズ紙は、最近の報道の中で、手を洗いたいのに水だけで石鹸がない場合には、手に土を付けるように勧めた。手が汚いと思い、石鹸で手を洗うようになるまで、手を口に持って行かなくなるというのである。
(アドバイス〓延世大学医科大学感染内科・金ジュンミョン教授、ソウル大学医科大学感染内科・崔ガンウォン教授)
李成柱 stein33@donga.com






