米軍が開戦直後の3月20日に続き、7日にイラクのフセイン大統領の命を狙って集中爆撃を加えた。精密に打撃を与えて戦争を終わらせる「首切り作戦」の再開だ。
米軍は同日午後3時(現地時間)、バグダッド市内のイラク情報省本部の東にある高級住宅街アルマンスール地区のある建物の地下壕で、フセイン大統領親子が指導部と会合をしているという情報を入手し、爆撃を行なった。
フセイン大統領親子が生存しているかどうかは明らかでなく、10日頃には輪郭が分かるものとみられる。しかし米MSNBC放送は、米国防総省のある高官の言葉を引用して、「フセイン大統領親子が死亡した可能性が非常に高い」と報じた。
同高官は、「バグダッド現地の最高位層につながりのある『非常に信頼できる情報員』が、7日、アルマンスール地区のある建物の地下壕で、フセイン大統領が息子のウダイとクサイ、軍将軍、バース党の幹部と会議を開くという事実を、米中央情報局(CIA)に提供した」と伝えた。同高官は「会議の出席者たちはバグダッド脱出方法について話し合い、情報員は『フセイン大統領がそこに入ったのは確かであり、出るところは見なかった』と言った」と伝えた。
情報を入手したCIAは、直ちにカタールの米中部軍司令部に伝え、イラク上空を飛行していたB−1爆撃機が司令部から緊急指示と爆撃地の座標を受け取り、45分後にはバグダッドを空襲した。
爆撃機は、強力な地下壕も貫通する2000パウンドのGBU−31統合直撃弾(JDAM)4発を、アルマンスール地区の目標地点に投下した。
この爆撃で、地下に18mの深さの大きな穴があき、地下壕にいた者は全員死亡したと、米国防総省の高官が伝えた。
米紙ワシントンタイムズは、爆撃の標的になった建物は、イラク情報機関の「ムカラバート」が使用してきたものだと伝えた。4日に突然バグダッド市内に姿を現わしたフセイン大統領は、まさにこの建物の近くの、アルサアフレストランのそばに現われたという。
爆撃の結果、子ども2人を含む家族9人のほかに5人のあわせて14人が死亡したと伝えられたが、身元は確認されていない。
米国務省のある高官は、情報の信頼性が非常に高いものと判断されたので、標的が民間居住地域にあったにもかかわらず、爆撃を強行したと説明した。
この建物の地下壕は秘密の地下通路につながっており、空襲直前にフセイン大統領が抜け出した可能性を排除することはできない。しかし米軍司令部は、フセイン大統領が爆撃地内部に残っていたものと「幾分」確信していると、米ABC放送が伝えた。
權基太 kkt@donga.com






