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イラク戦 三人三様

Posted February. 06, 2003 00:18,   

米国の対イラク攻撃が差し迫ったとされているなか、英日刊紙ガーディアンは4日、亡命したイラクの宗教指導者ムシルミン氏と言語学者であり反戦活動家のマサチューセッツ工科大・チョムスキー教授、イラクへの経済制裁に反対してきたスポーネック元国連・イラク支援調整官にインタビューをした。彼らは各々「フセイン政権を即刻排除すべき」(ムシルミン)、「石油とイランをねらった米国の陰謀を中断するように」(チョムスキー)、「イラク国民への支援を行うべき」(スポーネック)との見方を強調し、イラクをめぐった多様な見解を代弁した。次はその要約。

▲我々は「民主イラク」を夢見る(ムシルミン)〓イスラム聖職者としてアラビア語を教えていた私は、生徒らを過度にたくさん引き込んでいるとの理由で、国家転覆を企んだ犯人との汚名を着せられた。14〜15歳の生徒6人と私の弟、それに甥が突然押し入ってきた政府軍によって命を失った。父をはじめ家族8人が監獄に連れて行かれたが、今もって生死がわからない。

我々は、自由で民主的なイラクを望んでいる。イラク人はみな、サダム・フセイ大統領と相次ぐ殺人に呆れている。私の友人らは、フセイン体制のもとでは一時も耐えられないとし、西側諸国の対イラク攻撃だけを待っている。政府軍に逮捕され行方不明になったイラク人だけでも50万人にのぼる。西側の反戦活動家らは、イラクの実像とフセイン大統領の危険性について正確に把握していない。

▲一昨年9月11日の米同時多発テロ事件以降始まった米国の宣伝戦(チョムスキー)〓全世界に反戦の世論が広がっているが米国では正反対だ。

一昨年9月11日のテロ事件以降「フセイン大統領は酷い人物で、同氏を防がなければ我々が危機状況に陥ってしまう」との宣伝を繰り広げてきたからだ。米国がイラクを攻撃しようとする理由は、イラクを手に入れれば世界の主要エネルギー産油国を支配できるようになるからだ。米国のタカ派は、早期に戦争を終え、新政府を設け「民主政府」との看板をかぶせた後、巨大な米軍基地を設けて、石油を效果的に統制することを希望している。しかし、看板だけの民主主義も容易ではないはずだ。イラク人口の60%に達するシーア派に力が蓄えられるだろうからだ。しかも、彼らはイランのシーア派との再結合を望む可能性が高い。これが米国の最後の狙いだ。イラクの次はイランだ。

▲強者らの戦争に国民だけが苦しめられる(スポーネックス)〓イラクの状況は次第に悪化しつつある。国民は慢性的な失業に苦しめられており、破壊された教育制度も改善の見込みが少ない。相次ぐ経済制裁で荒廃になったイラクが正常に戻るためには、戦争いかんと関係なく長い時間がかかるはずだ。

イラクは都市を中心にして建設された国家だ。高性能の兵器と大規模な空爆を前面に出した市街戦が行われれば、イラクの民間人は途方もなく大きな被害をこうむることになるだろう。

米国と英国は、軍人だけを目標にするとしているが、民間人らと入り混じっている状況で、軍人だけを捜し出し攻撃するのは不可能だ。イラクを訪問する人々はイラクの国民から、深まる絶望の色と恐怖心、諦めを感じ、衝撃を受けるようになる。時々刻々と迫ってくる戦争の脅威で、心理的な恐慌が広がっている。彼らは、すでに生きていく希望も失っているように見える。しかし、戦争というさらに深刻な悲劇が彼らを待っている。この悲劇を防げる平和的な解決策が急がれる。



havefun@donga.com