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米国のイラク攻撃、クルド族には「独立」の好機

米国のイラク攻撃、クルド族には「独立」の好機

Posted January. 17, 2003 22:44,   

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最近、イラク北部の雪に覆われた山岳地帯は、さく裂する迫撃砲の音のなか砲煙が立ち込めている。

もちろん米国の対イラク攻撃はまだ始まっていない。だが、同地域を掌握しているクルド反乱軍と、新しい拠点を設けようとする「アルカイダ」系の武装組織との戦闘は次第に激化しつつある。そして、そこから南西にやや離れたクルド反乱軍とイラク正規軍が対峙している長い戦線は、一時的な小康状態を保ってはいるものの、本格的な地上戦へ突入寸前の状態だ。

「ここ数十年間にわたって、われわれにとって、高く険しいこの山々が唯一の友だちだった。しかし、今われわれは世界で最も強い友だち(米軍)を待っている」

クルド反乱軍のカリーム前線指揮官は先週、山岳地帯の陣地を訪ねてきた米ニューヨークタイムズ紙の記者に「フセイン大統領を退かせ、独立を獲得するために命がけで戦う考えしち」と述べた。濃い戦雲きち垂れ込めるなか、世界各地で米国の対イラク攻撃を反対するデモが繰り広げられているが、彼らクルド族の立場は正反対だ。

フセイン政権のもと、数千〜数万人が虐殺された残酷な記憶を持つ彼らは、今回のイラク事態を独立に向けた絶好の機会と受け止めている。実際、戦争が起きればクルド族は米軍を助けて、地上戦で最前線に投入されるとみられている。

米国はすでに、昨年末から約500人の特殊要員を投入し、クルド反乱軍の軍事訓練を助けている。イラク内のクルド反乱軍は、現在およそ7万5000人。彼らは、長い間の武装闘争の経験と、自らを「ペシュメルガ」(死に立ち向かう戦士)と呼ぶ勇猛性で鍛えられている。

クルド族は、先史時代から「クルディスタン」と呼ばれるイランと旧ソ連の国境地帯、チグリス川の支流およそ8万平方キロにわたって暮らしてきたが、一度も独立を実現できなかった悲運の民族。わし鼻と白い肌に固有の言語を使い、大半がスンニー派のイスラム教徒だ。現在、トルコ内の約1000万人とイラクの約350万人を含めて、およそ2500万人が散在している。

ここ数百年間にわたって、列強らは紛争の度に「独立」という甘い約束を投げてクルド族を利用してきた。70年代初め、イランのパーレビー王家はイラクとの国境紛争の時、クルド反乱軍を煽動し、対イラク闘争を繰り広げさせた。ところが、イラクと平和協定を結んでからは支援を中止し、その後、クルド人はイラクの報復攻撃で数千人が死亡した。88年には、フセイン政権が化学兵器を使った弾圧を加え、およそ5000人が死亡した。91年の湾岸戦争の時も武装闘争を繰り広げたが、米軍がフセイン政権を置いたまま撤退したことによって、数多くの犠牲を甘受しなければならなかった。

戦争を控えてクルド人が抱いている独立への期待のなかには、「今回も列強の盾として動員された後、捨てられるのではないか」との懸念が入り混じっている状況だ。



李基洪 sechepa@donga.com