英語のオリガルヒ(oligarch)は、寡頭制、つまり特権的少数が支配しながら専制権力を行使する政治体制の支配者たちを意味する。アリストテレスは、寡頭制をギリシャの貴族政治体制の堕落した形態とみなした。オリガルヒは、現代の民主国家では広く用いられる理由のない単語なのだ。ところが、ロシアでは同じ語源を持つ単語の「オルガルヒ」が、今でも人々の暮らしと密接に関わっている生きた言葉である。「新興金融およびエネルギー財閥を中心とした少数の支配勢力」程度の意味をもつ。多くのロシア人たちは、オルガルヒたちがロシアを支配していると考えている。
◆マフィアという言葉は、元来1865年ごろ、イタリア南部のシチリアで暴力的な犯罪活動を繰り広げながら、地元地域社会の経済にも相当の影響力を持っていた人たち、或いはその家系を指していた言葉。その後、米国では賭博や悪徳高利貸し業、酒類の密売を行っていた犯罪組織を指す言葉になった。シカゴのアル・カポネが代表的なマフィアのボスだった。1970年代の旧ソ連では、地下経済活動をしていた犯罪者たちと彼らをひ護していた官吏を指す言葉として使われた。今では、あらゆる種類の腐敗、犯罪集団を称える時に使われる。「交通警察マフィア」「金融マフィア」「エリチンマフィア」といった具合。そして、オルガルヒもマフィアとほぼ同じ意味で使われている。
◆ロシアでは、現在6200あまりのマフィア組織と50万人の組員がいるものと推定されている。これらは、1500社あまりの国営企業、400あまりの銀行と数万社の企業を支配しているといわれる。マフィアがロシア経済の40%を支配しているとする学者もいる。米国のある報告書では、およそ200の組織が東ヨーロッパ、南北アメリカ、イスラエルを中心として58カ国で麻薬の売買、売春、マネーロンダリング、武器密売など、様々な「ビジネス」を展開していることを明らかにしている。国の規制を殆ど受けていないと見るべきだろう。
◆フランスの日刊紙ル・モンドは28日、ロシアのプーチン大統領を指して「ロシアマフィアの捕虜」発言した、元マフィアの大物組員の暴露内容を報じた。2000年5月、プーチン政権が発足した頃に創設した、世界第2位のアルミニウム生産会社のルスアル社が、クレムリンの権力層とオルガルヒたちの共同作品であり、プーチンはこれらの勢力から自由ではいられないというのである。プーチンは、エリチン前大統領自ら選んだ後継者である。就任初期、エリチン政権の支えだったオルガルヒに対し「国の経済を虫ばんでいる」と非難しながら、これらの勢力との「戦争」も辞さなかった。その彼も、結局ロシアの巨大な腐敗の影響から離れることはできないのであろうか。ル・モンドの報道に対するプーチンの反応が気になる。
文明豪(ムン・ミョンホ)論説委員 munmh97@donga.com






