水と電気の供給が断たれた中で厳しい日々が続いている被災地で、困った人々に配慮する「共同体意識」が芽生えており、水害の苦痛をいやしている。
江原道江陵市校洞(カンウォンド・カンヌンシ・キョドン)のD銭湯では飲み水不足が深刻になった2日から銭湯の外にゴムホースをつないで近隣の住民たちに地下水を供給している。銭湯に入ろうとする大勢の人で混んでいて、銭湯に供給する水さえ足りない状況だが、住民に配慮して飲み水を出していた。
被災者に対するこのような気配りは、モヤシ製造工場や宿泊施設、飲食店など地下水を持っているほぼすべてのところで見られている。
江原道三陟市南陽洞(カンウォンド・サムチョクシ・ナムヤンドン)にあるKモテルでは、3日、地下のサウナを一日中無料で開放した。また、同市のPホテルはホテルのバスで被災地域を巡回し飲み水を供給している。
江陵市にあるボランティアセンター(033−640−4114)には、最近災害復興作業の手伝いを希望する3000人余りのボランティアが全国各地から集まっている。4日午前9時、同センターでは釜山(プサン)から来たという30代の男性が作業に参加したいと手続きをしていた。
一ヵ月間をめどにボランティア活動をしたいというこの男性は、最後までとく名にしてほしいと言って、救援物資を積み込むへりポートで汗を流していた。
江原道東海市三和洞(トンヘシ・サムファドン)など孤立した地域で、被災した住民を助けようとする思いから飲み水とショベルを担いで1時間余りを歩くボランティアの行列が後を絶たない。
2日に一部が開通した江陵〜東海間の国道7号線は、一部区間が1車線しか開通せず、渋滞が続いたが、割り込みはほとんど見かけないほど高い市民意識をうかがわせた。
ソウル在住の大学生、李さん(24)は4日、慶北金泉市(キョンブク・キムチョンシ)ボランティアセンターを一人で訪れ、「金泉で最も被害の多かった奥地に行かせてほしい」と要請した。リュックに1週間分の食べ物や服を背負っている彼は「授業は後で補うことができるが、水害復旧は今すぐ取り掛からなければならない」といい、知礼面(チレミョン)という被災地に向かった。
金泉ボランティアセンターには「被災者を助けたいので案内してほしい」という個人や団体からの問い合わせが殺到している。ソウル在住の20代の性会社員は「来週の1週間は金泉で復旧作業を手伝いたい」と予約し、大邱(テグ)に住む40代の主婦は、一人でもできる仕事を紹介してほしいと頼んできた。
同センターの文靜和(ムン・ジョンファ・24)社会福祉士は「ボランティア活動を希望する方は、軍手や長靴、ショベル、食べ物があれば、すぐにでも作業ができます」とアドバイスする。
金泉市で精米所を経営するイ・ジュンシク(47)氏は、米20俵を被災地の住民に提供した。住民はこの米で餅を作って一緒に食べた。李氏は「想像を絶するほどの困難に見舞われたが、力を出し合って立て直さなければならない」と語った。
金泉市内から30キロほど離れている大徳面(テドクミョン)と釜項面(プハンミョン)は、道路と電気、電話が途絶え、5日間孤立したままになっているが、5000人に及ぶ住民たちは米とろうそくを分けあい慰めあいながら苦痛に耐えている。
金泉市役所の隣りにある外国語教室で講師をしているカナダ人のベンダミラ(32)氏は、市役所の前に積み上げられている救援物資を車に積み込む作業を手伝った。彼は「心優しい金泉が大好きで暮らしはじめて4年目となるが、今回の台風で大きな被害に遭い胸が痛む。微力ながら手伝わずにはいられない」と話す。
三星グループの社員からなる三星社会ボランティア団員1000人は、4日から江陵市、金泉市、金海市(キョンナム・キムヘシ)、忠北永同郡(チュンブク・ヨンドングン)で医療と食事支援などのボランティア活動を繰り広げている。京畿安山市(キョンギ・アンサンシ)の露店商人50人も3日から二日間にわたって江陵市で救援物資を運んだり、水浸しになった家屋を掃除したりするなど汗を流した。






