台風15号で、数十人の犠牲者が出て数万軒の家屋が浸水し、数十万世帯が停電で不便を強いられている時も、国会議員らは政争に動員されていた。金正吉(キム・ジョンギル)法務部長官の解任案処理をめぐって、ソウル市漢南洞(ハンナムドン)の国会議長公館と汝矣島(ヨイド)の国会議事堂で対峙していたのだ。彼らはもはや国民の代表ではなかった。
昨日になって、各党は騒ぎ出した。党別に緊急会議や国会・政府懇談会などを開き、補正予算案編成と特別災害地域の早期宣言などの対策を取り上げた。争うかのように挙党的な支援をも約束した。しかし、政界が党を超えてひざを突き合せない限り、このような対策や約束も台風の消滅とともに忘れ去られる「空約束」になる恐れがある。
野党ハンナラ党の徐清源(ソ・チョンウォン)代表は、与党民主党の韓和甲(ハン・ファガプ)代表との代表会談の提案を拒否したが、考え直してもらいたい。水害のため多くの国民が苦しんでおり、日本と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の首脳会談の達成を機に、韓半島の周辺情勢が急変する兆しを見せている今、何よりも政治を復元させなければならない時である。
公職者の綱紀が急速にゆるむ政権末期には、国会が埋めなければならない国政の空白がいつになく大きい。すでに限界をさらけ出した現政権の国政運営能力に対して国民が特段の期待をかけていない状況で、政治家がこれに背を向けることは、職務放棄といえる。今日から定期国会も開会する。大統領選挙のために会期まで短縮した定期国会の逸脱と空転の恐れに対する国民の懸念を払しょくするためにも、政界は真剣に対話に乗り出す必要がある。
このためには、民主党はまず朴寛用(パク・ヨングァン)国会議長の国会出席を実力で阻止したことについて謝罪しなければならない。ハンナラ党も条件なしに代表会談の提案を受け入れ、ひとまず政争を終わらせるべきである。両代表が会って政争中断を宣言し、手を取り合って水害復旧を支援し「傷ついた民心」をいやす。国民に希望を与える政治を示す時は今である。






