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[社説]脱出者「静かな解決」の段階は過ぎた

[社説]脱出者「静かな解決」の段階は過ぎた

Posted August. 19, 2002 22:15,   

北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の住民21人が、木造漁船を利用して韓国に亡命した重大な事態が発生したにもかかわらず、政府が、公式なコメントもせずに静かに処理するという方針を固めたことは、理解し難い。北朝鮮を刺激しないという意図であろうが、政府が口をつぐんだからといって、脱出者問題が解決するというわけではない。外国のマスコミが主要ニュースで扱い、周辺国がみな鋭敏に反応しているのに、いざ韓国政府だけが他人事のように沈黙を守っているのだ。政府が、南北関係を民族問題ではない指導層だけの交流であると間違いしているのではないか、問わずにはいられない。

今回の集団亡命は、北朝鮮住民の脱出が陸路を通じた中国行きから外国公館進入へ、さらにベトナムやキューバの「ボートピープル」を連想させる大規模な海上脱出へと発展する可能性を予告している。脱出者1500人を船で亡命させる計画であると明らかにしたドイツ人ノルベルト氏をはじめ、非政府組織(NGO)を中心に海上脱出を支援するための国際社会の動きもうかがえる。

今こそ脱出者問題をめぐって、当事者である北朝鮮や韓国政府をはじめ、中国、日本などの周辺国が、解決策を模索せねばならない。中国は数万名の脱出者のために頭を悩ませており、韓国も1年に1000人を超える脱出者を収容しなければならないほど状況が深刻である。脱出者の最終的な行き先をめぐって繰り返えされる消耗的な外交かっ藤や脱出過程で発生する北朝鮮住民の犠牲を減らすためにも、対策づくりが急務である。

何よりも政府が、北朝鮮住民の脱出原因を根本的に解決することが必要だという点を、北朝鮮に明らかにすべきであろう。閣僚級会談など多様な南北対話のチャンネルが開かれただけに、話し合う方法はいくらでもある。人権弾圧であれ貧困であれ、根本問題の解決なくしては、脱出者の韓国行きを妨げることはできない。同胞愛や人類愛だけを掲げる脱出者受け入れの段階は過ぎた。今や政府こそ、脱出者問題への発想を切り替えなければならない時である。