野党ハンナラ党の李会昌(イ・フェチャン)大統領候補の息子の兵役免除疑惑を暴露した金大業(キム・デオプ)氏がきのう、国軍首都病院副士官であった金ドスル氏の供述を録音したというテープ1本と書き起こしを検察に提出したことで、事件の捜査が新しい局面を迎えた。しかし、疑惑はさらに深まっている。
まず、金大業氏が検察記者室で公開したテープの書き起こしの相当部分が削除され、文脈を正確に理解することができない。検察にテープを提出する前に、すでに録音内容を具体的にかなり明らかにしていた金氏が、このような中途半端な書き起こしを公開したことは、疑惑を膨らませる意図が介入したのではないかという疑いを招く。金氏が「ほかにもテープ数10本があるが、状況を見ながらすべて公開する用意がある」と明らかにしたことも、同じ脈絡で考えられる。
問題は検察である。これまでの捜査の展開状況をみると、捜査の主体が検察ではなく金氏であるかのように思われるからだ。検察はこれ以上、金氏に引きずられるような印象を与えてはならない。
検察が、捜査過程をめぐる不必要な誤解を避けるには、金氏が持っているというすべてのテープをすぐに確保しなければならない。検察幹部も認めたように、テープがこの事件の最大の関心事なら、これをまず確保することが捜査の正しい手順である。証拠隠滅を防ぎ、真実を速やかに究明するためには、テープの確保が急務である。
検察は、双方が告訴した事件であるため、一方の当事者に一方的に証拠提出を迫ることができない立場であるという。しかしこの事件は、一般的な告訴事件とは異なる。捜査結果によって、政界全体を揺るがす爆発力があるだけに、より徹底した真相究明の意志が求められよう。
また、いずれの側にも一点の疑いのない捜査過程を経てこそ、捜査結果が説得力を持つことを検察は肝に銘じ、テープの有無論争を放置すること自体が、疑惑を増幅させる一要因であることを認識すべきである。






