▲左派勢力拡大〓左派政治家が最も勢いを増しているのは、南米の二大経済大国であり最も深刻な経済危機に瀕しているアルゼンチンとブラジルだ。
経済難の深刻化で大統領選挙を来年9月から3月に前倒ししたアルゼンチンでは、左派野党の「平等共和国のための代案(ARE)」の女性候補、エリサ・カリオがトップを走っている。現在カリオ候補の支持率は20%台で、政権党のペロン党のトップ候補カルロス・メネム元大統領(7%)を大きく上回っている。元法学部教授で4年前に政治に入門したカリオ候補が掲げる最も大きな選挙公約は、国際通貨基金(IMF)との関係断絶。カリオ氏は「金融不安の最も大きな原因は、市場開放と民営化を掲げるIMF政策にある」とし、「IMFを排除した経済改革のみがアルゼンチンを救える」と主張している。
10月に行われるブラジル大統領選挙では、左派野党の労働者党(PT)のルイス・イナシオ・ダ・シルバ候補が、政権党候補のホセ・セーラ前保健相を抑えて当選が確実視されている。同氏が掲げる最大政策は、財政支出の拡大。シルバ候補は、現在ブラジルが3000億ドルのばく大な国家負債を抱えているが、失業率と貧困撲滅のためには財政支出を増やすべきだと主張している。
ボリビアでは、先月行われた大統領選挙1次投票で社会党(SP)のエボ・モラーレス候補が2位につけた。モラーレス氏が注目されている理由は、麻薬栽培を公認し、農民の負債を軽減すべきだとする公約にある。ボリビア産麻薬の流入で頭を悩ませてきた米国は、先月初旬、モラーレス候補が当選した場合、ボリビアに対する援助を中止すると警告した。米国の「脅し」以来、支持率が逆に上昇したモラーレス候補は、来月の2次投票で政権党候補のゴンサルロ・サンチェス・デ・ロサダ前大統領と一騎打ちをする。
近く選挙日程のない他の南米諸国では、左派政党がデモ組織を通じて勢力を拡大している。
ペルー労働党は先月、国営電力会社の海外売却に反対するデモ隊を組織し、売却計画を中止させた。パラグアイ最大与党の社会党は先月、国営電力会社の民営化に反対するデモを主導し、政府が非常事態まで宣言した。エクアドル野党の民主市民党も、5月17日の国営送電会社の売却に反対するデモを行った。
▲経済難解消は疑問〓南米の左派政治家らは、産業国有化、財政拡大などを骨子とした保護主義政策を掲げている。90年代の市場開放、民営化、財政縮小などを推進した右派政権らの自由市場政策が失業率上昇と経済の後退を生んだからだ。
しかし専門家らは、ほとんどの南米国家で税収が急減している状況で、財政拡大を進める左派政治家らの政策は、実効性がないと主張している。また、IMFとの関係縮小または、断絶を行う場合、外国人投資がさらに減るのは必至と指摘している。ブラジルでは、シルバ候補の当選が次第に確実視され始めたことを受け、ヘアル通貨の価値が最安値を更新し続けており、昨年300億ドルに達した外国人直接投資は、今年は200億ドルにも及ばない見通しだ。
ワシントンにある南米経済研究所「インター・アメリカン・ダイアログ(IAD)」のピーター・ハキム所長は「左派勢力の浮上で、90年代南米を支配した民主主義、自由市場、親米の3大政策がすべて消えつつある。左派政権は、短期的に国民の不満を解消することはできても、中長期的経済成長計画は持っていない」と指摘している。
鄭美京 mickey@donga.com






