29日、南北海軍の間で発生した西海(ソヘ)での銃撃戦は、対話再開を前にした米朝関係にも少なくない影響を及ぼす見通しだ。
休戦協定の当事者である米国は、99年6月にあった延坪島(ヨンピョンド)沖での銃撃戦の時も、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)艦艇が北方限界線(NLL)を意図的に侵犯したことに対して、憂慮を表明。早期空中警戒機と偵察機、巡洋艦などを緊急派遣するなど韓半島周辺の戦力を強化した。
米国務省とホワイトハウスは、今回の銃撃戦が米東部時刻では週末の金曜日夜に発生したため、論評はなかったが、北朝鮮が韓国領海を侵犯したことが明白であるため、今回も北朝鮮の軍事挑発に対して強力に対応するとみられている。とくに、米国はW杯期間中に憂慮される北朝鮮の軍事的な冒険に備え、すでに警戒を強化していたなかで憂慮された事態が発生しただけに、北朝鮮に対してより明確な警告メッセージを送るとみられている。
何よりも注目されるのは、米朝対話が果たして予定通り開かれるかだ。米国は、ケリー国務次官補(東アジア太平洋担当)を来月第2週に、北朝鮮の首都、平壌(ピョンヤン)に派遣する方法を北朝鮮側に提案している。しかし、今回の銃撃戦で対話再開が見送られる可能性を排除できなくなった。
一部の外交筋は、米朝双方が対話再開の必要性を感じているため、米国の特使派遣は予定通り行われるだろうという慎重な見方を示している。しかし、南北関係が硬直化し、韓半島で緊張が高まる場合は微妙になってくるのが現状だ。
北朝鮮の今回の挑発は、また米国国内の対北朝鮮強硬派を勢いづけ、米朝対話の必要性を強調してきたパウエル国務長官ら穏健派の立場をさらに困難なものにさせる可能性がある。
北朝鮮を「悪の枢軸」としたブッシュ大統領とチェイニー副大統領、ラムズフェルド国防長官、ライス大統領外交安保補佐官らにとっても、銃撃戦は北朝鮮に対する強硬策をさらに正当化させる方向に働くものとみられている。北朝鮮によるミサイル攻撃の可能性などを大義名分に進めているミサイル防衛(MD)体制の開発にも、一層拍車がかかりそうだ。
これと関連し、中国に不法滞在している北朝鮮住民(脱北者)問題に大きな関心を示している米議会も、「北朝鮮政権は、住民たちは飢えているのに軍事的冒険だけをしている」と、攻勢の強度をさらに強めることが予想される。
米国の具体的な対応は、北朝鮮のNLL侵犯が金正日(キム・ジョンイル)総書記の指示による意図的な挑発なのか、または北朝鮮軍部の強硬派たちの突出行動なのかによっても変わってくるだろう。万が一、金総書記が軍部の強硬派たちをコントロールできない状況下で発生した事態ならば、米国は北朝鮮内部の派閥間のあつれきにどう対処するのか。対北朝鮮政策で新しい課題を抱えることになりそうだ。
eligius@donga.com






