Go to contents

北朝鮮亡命者「次善でもいい、ぜひ投票を」

北朝鮮亡命者「次善でもいい、ぜひ投票を」

Posted June. 12, 2002 22:40,   

「ワールドカップの熱気だけがこの国を立て直せるのではありません。投票をしましょう」

北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)から韓国へ亡命してきた金龍華(キム・ヨンファ、49、京畿道始興市)さんは誰よりも6月13日を待ちわびてきた。

1988年6月に咸鏡南道(ハムギョンドナムド)タンチョン地区から中国に越境してから14年。95年にようやく韓国に亡命して7年目になる今年4月24日、初めて大韓民国の国民として認められ住民登録証がもらえた。そして13日は、その住民登録証で国民としての権利を初めて行使する同時地方選挙の投票日だ。

この1枚の身分証をもらうために金氏は数々の困難を経た。北朝鮮を出たあと、中国での数回にわたる韓国への亡命要請も水の泡となったうえ、北朝鮮からの亡命者として認められず、韓国政府によって強制出国させられたこともある。

中国、ベトナム、日本などを転々しながら、10数回も密入国者として収監される生活を送った末にようやく獲得した大事な国籍だった。

そういう道を歩んできた彼にとって、有権者が投票に行かないのは理解できない。「私みたいな者も、自分が支持する人に票を入れることができると思うと、胸がいっぱいになります」

始興市(シフンシ)の韓国農村文化研究会で警備員の仕事をしている金氏は、13日明け方に、始発バスに乗って自分の投票所があるソウル龍山(ヨンサン)に向かうつもりだ。

住民登録証を受け取るとき、書き込む住所がなかったので、普段助けられている知人の自宅の住所地を記載したからだ。気持ちだけは、一番最初に投票したい。

「口先だけでは民主主義国家だとか、政治家たちに失望したとか言いながら、肝心の投票をしないのでは、後で自治体の首長や地方議員たちの責任をどうやって問うことができますか。投票率が高ければ、選ばれた人たちもより責任を感じるはずです」

金氏は、北朝鮮でも地方選挙が行われているが、党が決定した人に票を入れる行為に過ぎないとし、それを思うといかにもありがたいことではないかと話した。

金氏は、自分の地方区の候補たちがどういう人物なのか、よく分かっていない。そのため、党を基準に票を入れることも考えている。しかし、投票所に持参していく住民登録証とハンコを手にして断固とした口調で述べた。

「最善がなければ次善の候補でも選ばなければ。真に住民を代表してくれる人、住民に尽くしえくれる人、そして相対的に政治的野心の少ない人を選んで票を入れるつもりです」



閔東龍 mindy@donga.com