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「アメリカはもはや開かれた社会ではない」検査や監視に非難の声

「アメリカはもはや開かれた社会ではない」検査や監視に非難の声

Posted May. 17, 2002 09:09,   

電話会社を引退したベリーレーンゴールド(60)氏は、最近フィットネスクラブのロッカールームでアメリカの対アプガニスタン戦争を非難する発言をした数日後、FBI要員2人の訪問を受けた。彼は通報を受けたというFBI要員から発言内容と経緯を執ように追究されるといったひどい目にあった。

また、インデペンデント・メディアという進歩的な団体のために、たまたまボランティア活動をしてきたあるコンピューター技術者は、どこから情報を得たのか、この団体のコンピューターシステムを教えろというFBIの要求に肝をつぶした。

アメリカのCBS放送は14日、「最近アメリカ人の間にはFBIが過去法律を無視してアメリカ人を徹底的に監視したエドゴ・フーバー局長の時代に回帰するのではないかという懸念が高まっている」としてFBIの過剰捜査の例を告発した。

アメリカは、このようにもはや自由で開放された社会ではなくなった。ワシントン警察局に設置された「共同作戦指揮センター」では、警察、FBI、秘密警護局などの機関が市内の主要地点に網の目のように設置した監視カメラや指揮センターにつながっている民間企業のショッピングモールなどの監視用ビデオを通じて市民を見張っている。ホワイトハウス、議会など主要公共機関周辺の人たちは知らないうちに一挙一動を監視されている。

それだけではない。米同時テロ以降、空港の取り締まりはより厳しくなった。14日のワシントン・ダラス空港。一人の検査要員が金属探知機をパスしたある男性乗客に対して精密検査を行っている。彼は乗客の靴を脱がせた後、靴に爆発物があるかどうかを細かくチェックした。その後、乗客を椅子に座らせ、足を直接手で触りながら靴下の中に凶器を隠しているかどうかを調査した。

その隣ではもう一人の検査要員が女性乗客のハンドバッグの中をチェックしていた。この乗客はすれ違う人々にみられる中で、所持品を隅々までチェックされることに困り果てた顔をしていた。

今月の初めにロサンゼルス空港を利用したある乗客は、飛行機に乗ろうとした直前に女性の検査要員に精密検査をするとして横に呼ばれ、ベルトを外され、手で体を触られるという場面を経験し、あわてざるを得なかった。

この頃のアメリカ空港では検査要員が乗客たちのデジタルカメラ、ノートパソコンに爆発物が取り付けられているかどうかをチェックするため機器を作動させたり、さらにミネラルウォーターをぶら下げている乗客にそれを飲むよう要求するなど、厳しい検査が日常的に行われている。

ブッシュ米大統領が14日署名した「国境警備強化・ビザ入国改革法案」をめぐっても、外国人に対する差別的な認識を盛り込んだ措置だとの批判が出ている。

米観光業界はこのような措置で外国人観光客数が大きく減るとして、強く反発している。米観光代行会社連合のビル・マロニー副代表は「この措置は現実性を欠いている。施行の前に国内外の旅行代理店から不満の声があがっている」と話した。

ローマが繁栄することができた理由の一つとして、異民族に対する開放的な態度が挙げられる。多民族社会であるアメリカもそのような「開かれた社会」を目指して超大国になることができた。しかし、今日のアメリカはジョージ・オーウェルの小説「1984年」に出てくる「ビッグブラザー」下の社会とあまり変わらないように見える。



韓起興 eligius@donga.com