「脳炎ウイルスに免疫を持つ人が、エイズウイルスに対して免疫力を持たない理由について研究しています。これが明らかになれば、各種ガンに対するワクチンの開発が可能になります」
ヒトの免疫体系がウイルスに感染した細胞を認識する仕組みを究明した功績で、96年ノーベル生理医学賞を受賞した、スイス・チューリヒ大学臨床免疫学研究所のロルフ・チンカナゲル所長(58・写真)が3日、大韓医師協会の招きで訪韓した。
チンカナゲル所長はこの日、ソウル江南区三成洞(カンナムク・サムソンドン)のコエックス(COEX)ASEMホールで「ウイルス感染とヒトの免疫体系」をテーマに講演会を行った。
チンカナゲル所長は、この講演会で「免疫治療には2とおりの治療法があって、各種ガンの場合には免疫力を増強させなければならない一方、リューマチなど自己免疫疾患の場合には、免疫力を抑制させなければならない」として「これからの免疫治療は、免疫の増強と抑制のバランスを取ることが肝心だ」と語った。
チンカナゲル所長は、70年代にモルモットを対象に研究を進め、白血球の一種のT細胞がウイルスに感染した細胞を撲滅する過程を究明し、ノーベル賞を受賞した。
所長は、同研究を土台にして、ガンや自己免疫疾患に関する新しいワクチンの開発も可能にしたとの評価を受けている。
李眞漢 likeday@donga.com






