ブッシュ米大統領は、ミサイル防衛(MD)体制を予定通り進めるため、これを禁止する弾道弾迎撃ミサイル(AMB)制限条約から脱退することを決め、これを近くロシアに正式通知する予定だと米マスコミが11日報じた。
ブッシュ大統領は最近モスクワを訪問したパウエル国務長官を通じて、こうした意向をプーチン大統領に伝えたものとされる。パウエル長官は、ロシア側と核弾頭の縮減に関する協議では意見の歩み寄りをみたが、米国のミサイル防衛体制構築に向けたABM制限条約の改廃問題に関しては意見の隔たりを狭めることができなかった。
ブッシュ大統領はこの日、サウス・カロライナ州のシタドル軍事学校を訪問した席で「我々は今とは異なる時代に異なる敵と締結したABM制限条約を乗り越えなければならない」とし、「9月の同時多発テロ事件は、ミサイル攻撃に対応する防衛網構築の必要性を明白に見せてくれた」と力説した。
72年、米国と旧ソ連との間に締結されたABM制限条約は、両国がこれを破棄しようとする場合は、6カ月前に相手側に通知するように定めている。
米国は今後数カ月内にABM制限条約に触れるミサイル防衛体制の実験を行う予定だ。
韓起興 eligius@donga.com






