権力型不正疑惑の詳細が明るみになるや、お流れになったかに見えた与野党トップ会談が、昨日午前、電撃的に開かれた。しかし、会談の議題が、米国のテロ組織に対する軍事攻撃関連に限られ、国民が期待した大枠のトップ会談とは程遠いものであったとしか言えない。
もちろん、与野トップが、世界レベルの問題である米国のテロとの戦いに対する支持と協力の意思を示す一方、戦争による安保や経済、民生対策に党を超えて力を合わせるということは、時宜に適っていると言えよう。また、今回のトップ会談で、反目と対決を続けてきた与野関係が、ひとまず話し合いのきっかけを作ったという点では評価できる。しかし、このように限られた議題のトップ会談で、総体的な危機に直面した国政を収拾し、民心の不安をなだめられるかは依然として疑問に残る。
今回の与野トップ会談で政府高官らが絡んだとされる「李容湖(イ・ヨンホ)ゲート」やマスコミ社税務調査問題、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対する政策など、国民が関心を寄せる争点や懸案は、はなから議題から外された。米国のテロとの戦いという緊急事項に迅速に対処するため、避けられない面があったとは言え、国民の立場からは、与野トップが、何がもっと重要で急を要する問題なのかをろくに認識していないのではないか、という懸念を抱かざるをえない。
このような懸念を払拭させるには、与野トップが近いうちに再び会談を開くべきだ。国会が国政の中心であるという原則は、尊重されなければならないが、韓国政治の現実から、トップ会談の重要性を認めざるをえない。そのうえ、与野党代表の国会演説で明るみになったように、時局を見つめる与野の視角は大いに異なる。このような見解の相違は、与野党トップの妥協と合意が成されない限り、終わりのない政争へとつながるのがおちだ。与野党トップが再開しなければならない理由がここにある。
まず「李容湖(イ・ヨンホ)ゲート」など、権力型不正疑惑を徹底的に究明するという合意を再び明らかにすべきだ。マスコミ社税務調査問題や対北朝鮮政策などの国論が分裂にまで至った争点も、論議の対象からは外せない。これら議題について合意できるテーマではないとして議題から除くのなら、そんな会談はしてもしなくても同じだ。合意を見出せないなら、その全容を国民に伝え、世論を傾聴するべきである。その点で、とりわけ与党は「自分たちだけが正しい」という独善を捨てなければならない。
今、民心は限られたテーマのトップ会談に納得するほど寛容ではない。テロとの戦いに対する備えも必要だが、国政に対する国民の不信を払拭することがより重要なのだ。






