韓国租税研究院が19日、大統領府青瓦台(チョンワデ)で開かれた「中間階層の育成及び庶民生活の向上対策」会議の席で、韓国の所得配分の格差が継続して拡大しており、今後もこのような傾向は一層強まると展望し、懸念が広がっている。
租税研究院は「情報技術(IT)産業の急速な発展と成果主義に沿った賃金体系が定着していく中で、先進国型所得配分の格差が拡大する可能性がある」と分析している。果たしてこの分析は正しいのだろうか。租税研究院の原因分析が正しければ、心配するほどのことではない。IT産業の発展と成果主義による賃金体系は、韓国社会の潜在能力を育み、これはまた間接的に低所得層の福祉向上にも役立つからだ。
しかし、先月の統計庁資料によると、所得配分の格差は昨年よりもITブームが下火になった今年の方が悪化しているとしており、所得の不均衡の程度を表すジニー係数(Gini’s Coefficient)も、昨年が相対的に良かったものと分析された。従って、IT産業に携る人々の所得の拡大は状況の悪化に影響しておらず、これはむしろ租税研究院の分析よりも、さらに悪い別の原因が存在する可能性を予告するものでもある。
このような背景から、所得配分格差の拡大が、主に雇用の悪化に起因するものだとする民間の専門家たちの診断が、一層説得力を帯びてくる。仕事がないために求職を諦めた非経済活動人口が増えるにつれ、失業率が下がる錯視現象が起きているとする最近の統計も、これを裏付けている。これまで「働ける能力を養いながら仕事場をつくる」という、政府の生産的福祉政策が実効を収めていないことの証でもある。
政府も、このような状況を前提に対策を講じなければならない。租税研究院は所得配分の格差を縮めるための対策として、総合課税の対象となる金融所得の拡大など租税制度の改善を主張しているが、総合課税対象を持続的に縮小してきたのは、ほかでもない政府であり、その都度標榜する名分があった。いまやその名分が全て消滅しているのかどうか、気になるところだ。
税制の再編を通じて、高所得者の財産を引出して低所得層への特典を拡大するのは、事後対策的であり消極的な措置に値する。最も確実かつ積極的な対策は、前述したように仕事場を創ることであり、それがまさに政府が主張してきた生産的福祉に向けた近道である。
この日の大統領府会議では、いつものことながらもっともらしい対策が次々と出された。今度こそは一過性の、人気取りの政策でないことを願いたい。社会のセーフティーネットさえ充実していない状態で所得配分の格差が広がれば、危険な状況をも招きかねないからだ。






