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漢方療法で学ぶ夏の健康法

Posted July. 18, 2001 20:41,   

連日のように降り続く雨と照り付ける太陽の日差しは、疲れやすくうっとうしい気分になりがちである。

漢方では、夏期に体内の「気」が外に向かって集まるといわれる。つまり、外側の衛気(ウィギ)が強くなる一方、体内の臓器に流れる営気(ヨンギ)が弱くなるというのだ。この頃のように気まぐれな蒸暑い天気が続くと、衛気が周りの環境にうまく適応できないため、ともすると体調を崩しやすい。

従って、梅雨時には激しいスポーツよりは気のバランスを整える気孔体操がふさわしい(写真)このほか、漢方と民間療法には暑い夏を効果的に過ごすための多様な秘伝が受け継がれている。次に幾つかまとめて紹介する。

▲食事法〓食べ物はバランスよく万遍なく摂る。できるだけ水を多く飲むようにした方がよいが、営気が弱い夏は消化器官に異常を来しやすいので、一気にがぶ飲みするよりは少しずつ頻繁に飲むようにする。暑いからといって、冷や水よりは暖かい茶を飲んだ方がよい。特に日頃手足が冷たく、寒がりで冷え性といわれている人は、冷麺(ネンミョン)や冷や麦など冷たい食べ物よりは、参鶏湯(サンゲタン、地鶏を煮込んだ料理)など暖かい料理を食べた方がよい。

▲現代流の濯足〓私たちの先祖は、渓流のせせらぎに足を浸ける濯足(タクチョック)をしながら、涼んだりしていた。漢方では濯足が健康によいとしているが、足は温度に大変敏感な部分で、冷たい水に足を浸けると全身が涼しくなるうえ、流水が肝臓・腎臓・膀胱・胃など、夏期に弱くなりがちな内臓に関るツボを刺激するからである。敢えて渓流まで行かなくても、家にあるシャワー器から吹き出る水で足の裏を万遍なく刺激するだけで効果が得られる。家族どうし相手の足を洗いながら足の裏を叩いてあげると、ツボの刺激にもなるし家族間の絆を深められるので、一石二鳥といえる。

▲脚湯(カッタン)〓足の膝から下の部位を水に浸ける方法で、気の流れを円滑にする効果がある。摂氏43〜44度の熱湯に3分、16〜17度の冷水に1分ずつ浸かることを5回繰り返す。下半身の血行がよくなって、関節炎を患う患者や下半身の弱い人に効く。胃下垂・脱腸・痔などに特効とされる。

子どもが夏かぜをひいた場合、全身に汗を掻くまで膝から下を熱湯に10〜20分程度浸かるようにするとよい。お湯を取替えることを忘れないようにする。

暑気当たりの際には、38度程度のお湯に大さじ1くらいの塩を溶かして脚湯をすれば、早く回復する。



李成柱 stein33@donga.com