地球温暖化をもたらす温室ガスの主犯である二酸化炭素を地下の廃油井や深海の帯水層などに隔離して貯蔵する方法が、二酸化炭素の新たな抑制対策として研究されていると、米国のニューヨークタイムズ紙が17日報じた。
ニューヨークタイムズは、去年9月から米国のノースダコタ州にある天然ガス工場で放出される二酸化炭素を、毎日5000トンずつパイプを通じて320km離れたカナダのサスカチュワン州の油田に移し、地下1.6km深さの廃油井に貯蔵する実験が進められていると伝えた。
科学者らは、数百万年間石油と天然ガスが貯蔵されていたこのような地下空間に二酸化炭素を貯蔵する場合、少なくとも数千年の間は大気との接触を遮断することができるものと期待している。
これまで、二酸化炭素の抑制対策は原子力と太陽熱などの代替エネルギーの開発とエネルギー効率が高い製品の使用による消費の減少に焦点が当てられたきた。
ニューヨークタイムズは、「このような方法は、米政権が化石燃料を使う発電所を建設したことから、有害ガスの大気排出を減らすのに役立ちそうだ」と報道した。ブッシュ大統領は先に「二酸化炭素の隔離貯蔵など、技術の発達は有害ガスの排出をかなり抑えることになるだろう」と述べていた。
この方法は技術的には妥当性があるが、コストの面においてはまだ経済性に欠けている。米エネルギー省では、合理的な二酸化炭素の貯蔵費用を1トンにつき2.75ドルと見ているが、現在の費用はこれよりさらに15〜20倍にのぼる。
科学者らは、10年ほど経ってこそ経済的にも効率的な方法が開発されるものと予想している。
環境保護論者は、油田や深海の地下に二酸化炭素を大規模に貯蔵する方法が周辺の生態系に影響を与えかねないと主張し、計画に反対している。86年、カメールンではある湖の中に濃縮されていた二酸化炭素が突然、水面の外に排出され、住民1700人が窒息する事故も発生した。
韓起興 eligius@donga.com






