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智異山の老姑壇、緑を取り戻す

Posted June. 15, 2001 20:45,   

智異山(チリサン)の稜線、「亜高山帯(アゴサンテ)」に位置しているセソクピョンジョンと老姑壇(ノゴダン)。登山客による野営や炊事など、節制のない利用で草木が姿を消し、赤土が現れるほど生態環境が大きく破壊されたところだった。老姑壇は70年代以降軍事施設と通信施設が無分別に設けられ、生態系の破壊が加速した。

ところが、今はハナアヤメ、トルドンジャ花(韓国名)、ソクソギ草(韓国名)など、さまざまな自生植物が再び姿を現している。さらに、クロフネツツジなどの野生植物が生い茂っていて、以前の姿を取り戻しつつある。

これは、国立公園管理公団が力を入れてきた生態復元事業の結果だ。公団側は94年、二つの地域に対する自然環境調査を経て復元計画を立て、95年から生態専門家らを動員し、生態復元事業に着手した。今回の復元は現場の生態系の特性を活かしたことにその意義がある。これまでの復元事業は、自生植物ではない外部から取り入れた植物の種を巻くという、安易な方法を取り入れてきた。

公団側はこれに先立ち、91年から93年までこの地域に対して、自然休息年制を実施したことがあるが、観光客の足が途切れず、亜高山帯ならではの気象条件のため、植生の回復が困難となり、「特段の対策」を進めた。

公団は一般的な造林事業や砂防工事などとは異なり、破壊地の生態調査、破壊原因の分析、土壌の供給及び改良、斜面の安定化などを経て、周辺に棲息している植物の種子を発芽させて移植した。まず、侵食された地盤の安定化を図るため、土木工事を行った後、山のふもとに外来種子の流入が完全に遮られた心土と各種の肥料を入り混ぜた改良表土を敷いた後、その上に、密集して自生している草を移植する方法をとった。

植生が根をしっかりと下ろすことのできるよう、わらのマットを敷いてその上に格子縞の黄麻網を載せた。黄麻網は天然の素材であるため一定の期間が過ぎれば腐るが、その一方で根が弱い草が強風に飛ばされるのを防ぐ役割をした。

その結果、セソクピョンジョン(総面積4万21㎡)の1万2141㎡が、一部の登山コースや排水路などを除いては緑を取り戻した。特に、ここで棲息する自生植物の種は331種だったのが363種に増えた。

老姑壇(総面積3万8007㎡)の7859㎡も登山コースを除いた大半の地域で草が生い茂っている。

公団は15日、「自然が復元能力を備えることができるよう、人間が最小限の手助けをしたに過ぎない」と言い、「植物の種子の数が増え続けるなど安定かつ原始的な生態がよみがえってきている」と語った。



鄭用𨛗 yongari@donga.com