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10兆ウォンの軍「Xプロジェクト」問題ないのか(中)

10兆ウォンの軍「Xプロジェクト」問題ないのか(中)

Posted April. 10, 2001 11:36,   

コリン・パウエル米国務長官は2月7日の韓米外務長官会談で米ボーイング社のF15戦闘機に好意的な関心を表明して欲しいという内容の発言をした。彼の発言は次世代戦闘機(FX)事業の機種決定を控えている韓国政府にとって一種の圧力と受け止められている。

これに先立って1月29日には米ボーイング社のジェリー・ダニエルス主席副社長兼軍用機ミサイル担当社長がケリョンデ(軍部隊)でキル・ヒョンボ(吉享宝)陸軍、イ・スヨン(李秀勇)海軍、イ・オクス(李億秀)空軍参謀総長に相次いで会ったことが伝えられながら波紋を呼び起こした。

FX事業など「Xプロジェクト」への米国の受注努力はこのように執拗である。一部では早くも「結局米国製に決まるだろう」という話まで出回っている。10兆ウォンに達するXプロジェクトがこういった形で決められることがはたして望ましいことだろうか。

米政府や軍関係者は機会ある度に「韓米連合作戦と相互運用性の面から見て米製を購入すべき」だと露骨に強調してきた。巷には既に空軍のFXと陸軍の大型攻撃ヘリ(AHX)事業が全て米ボーイング社のF15KとAH64Dに決定されており、後は形ばかりにすぎないという話も聞こえる。

あえて韓米連合作戦と相互運用性を理由に挙げなくとも、米製の武器が全般的に優秀なのは事実だ。ただ性能が優秀なだけに値段も高く、先端の武器販売を忌避し、技術移転の条件が厳しいことなどが欠点である。

問題は韓国が安保において大きな部分を米国に依存している今、このような長所や短所をこちらに有利なように適用できない言葉にし辛い制約が多いということだ。政治的考慮はさて置き、純粋に軍事的な面だけを考えても韓国軍は対北情報の90%以上を米軍に依存している受け身の立場にある。米軍が自分らが得た対北情報を韓国軍に提供しない場合、一年に数十億ドルの情報損失が生じるというのは韓国のアキレス腱だ。

そうだとしてもFXやAHX事業はそれぞれ「米製対非米製」間の競争であり、特に米製候補機種の性能などに対して論争が絶えない状況で「米製一辺倒」に武器が導入されればまた新たな物議を醸すことは明白だ。既に政治権では「朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対する太陽政策を承認されるための政治的取り引きが交わされている」という説が流れている。

FX事業の競争様相は米ボーイング社のF15Kの相手としてΔフランス・ダソ社のラパルΔヨーロッパ4カ国コンソーシアムのEFタイフンΔロシア・ロスブルジェニエ社のSU37が名乗りをあげている状態。最大の争点は「検証された20年余の経歴を持つ旧式の兵器か(F15K)」、もしくは「検証はされていないが次世代の新兵器か(残りの3機種)」ということ。

F15Kと競争する3社では「韓国が断種の危機に瀕しているF15系列の生産ラインの寿命を延ばす最後の国になる」と主張する。次世代に見合う米製戦闘機は現在開発中の「F22ラプター」であって、F15Kは盛りを過ぎた老朽機種だというのだ。もちろんボーイング社側は、F15Kは現存の戦闘機の中で最高の性能を誇るF15Eを改善した新しい機種だと反論している。

他の機種は航空力学的に新しい概念から設計された最先端4世代戦闘機であり、技術移転条件がよいという点が最大の強みだ。しかし実戦経験がないという弱みがあり、一部機種は米製一色の韓国武器との互換性が疑わしいこともある。

はたして韓国の現状からして攻撃ヘリを導入する必要があるのかに対する議論もある。陸軍は現在保有しているAH1S攻撃ヘリを10年内に廃棄しなければならない上、数的に優る北朝鮮の戦車と海上挑発に対応するために必ず必要な空中戦力だと主張している。

しかし最も有力な候補であるボーイング社のAH64アパッチ・ロンボの場合、値段がF16戦闘機のそれに迫るほど高く、山岳の多い朝鮮半島の地形に不利であるという反論が強い。野党の一部ではこの事業に関して政治資金流入説などをちらつかせながら事業の全面見直しを図っているので先行きは不透明だ。



李哲熙(イ・チョルヒ)記者 klimt@donga.com