
もう8年目、ガンとの闘いを続けている演劇俳優のイ・ジュシル(李周実、56)さん。彼女の挑戦はしぶといというレベルを超え凄絶な気さえもする。それ故に美しく感じられる。「小鳥のさえずり、自動車の騒音、人々の話し声・・・。外界からの音が聞こえる。私はいまどこに居るのだろう。昨夜は、息が止まるほど苦しかったのに・・・。そっと手の指を動かしてみた。足の指も動かしてみる。あっ!ガバッと床から起き上がりながら叫ぶ。今日も生きている。また、頑張らなくちゃ」(イさんのエッセー集「人生のかどで」から一部)
イさんはチュンブック(忠北)ウムソンのコッドンネ(花園という意味で、体の不自由な人や一人ぼっちの老人らが集まって暮らしている)が設立したチュンブック・チョンウォンのコッドンネヒョンド社会福祉大学の2001学年度の新入生になった。大学は、「イさんは社会貢献者の資格で志願したが、これはあくまでも志願する上での資格であり、他の志願者と同様、英語や論述などの筆記試験と面接を行い、合格した」と22日発表した。イさんは、去年もこの大学に志願している。彼女は合格者発表一日前の、去年12月中旬頃、記者との電話インタビューで、これから始まるかも知れない大学生活についてあれこれ話すと、こう付け加えた。「合格すればどんなにいいでしょう。でも、落ちてもかまいません」。
結果は、不合格だった。イさんは、今年の2月、対案学校(既存の学制に反発して民間人が設立した自由な風土の学校)であるチョンナム(全羅南道)・ヨングァンにあるソンジ高校に行き、正規教育に適応できなかった学生の特別活動担当先生として、時には母となり時には姉となって彼らと共に生活してきた。様々な不適応現象を見せていた「どうしようもない子」達に演劇を指導し、大会に出場し入賞もした。また、少年院などで巡回公演も行った。彼女のボランティア経歴は30年。ホルト財団(主に孤児たちのために養子縁組活動を行っている福祉財団)に匿名で募金し、その事務所を訪問しボランティア活動をして以来、これまでコッドンネやソロクド(主に癩病患者が集団で療養している韓国南端にある島)、ドンドゥチョン(東豆川)の米軍基地界隈などを訪れ、癩病患者や売春をしている女性たちとともに生活してきた。これから新しく大学生活を始める彼女の望みとは、これまでのボランティアから得た経験を理論的に定立する事である。






