地方自治団体の予算の浪費が深刻だ。
事業性への緻密な検討もなく向こう見ずに事業を始めることが頻繁な上、都市発展に対するビジョンも持たないまま複数の建設事業を推進する場合も少なくない。
また、収益を上げると信じて進めた事業が自治体の財政運用において大きな障害物となったり、予算を翌年に繰り越さないためにやたらに執行することもあるため、自治体の予算浪費の事例として指摘される。
▽ビジョンの不足
光州(クァンジュ)市は1989年12月、100億ウォンを投入して完工した長さ386mのベクウン高架道路を近いうちに完全に撤去し、新しい設計に基づいて長さを100mほど延ばした高架道路を200億ウォンを投入して新たに建設する。
光州から木浦(モッポ)・海南(ヘナム)などの全羅南道の西南部圏につながる道路の交通量を処理するために建てられたこの高架道路を、僅か10数年ぶりに撤去することにしたのは、既に都市計画上開発が確定した地域の交通量の需要さえ予測できなかったことによるもの。
この高架道路の西の方に入居人口5万人規模のプンアム・グモ地区などの大規模住宅団地が出来たため、この高架道路の機能は喪失して久しい。
▽向こう見ず式の事業推進
江原(カンウォン)道の公営開発事業団が1996年6月190億ウォンの事業費を投資してフンチョン郡フンチョン邑ヨンボン地区17万1000坪の敷地に宅地を助成したものの、4年が過ぎた今でもその28%が未分譲状態である。
公営開発事業団は宅地助成で利益を上げるとの野心に満ちた計画を発表したが、最近の景気低迷のために未分譲土地が相当期間分譲されないものと見込まれるため、事業費の回収さえも難しい実状である。これに対して、建設専門家らは「宅地開発をする当時は、多くの市と郡が未分譲宅地を多数保持していたはずなのに、江原道が何故工事を推進したか理解に苦しむ」と話した。
慶尚(キョンサン)南道の馬山(マサン)市の場合、1997年、具体的な事業費の確保案さえも立てずに687億ウォンを投入してグサン面ミョンジュ里に7万4000坪規模で人工海水浴場であるミョンジュ海水浴場を2001年までに作ることにしたが、遅々として進まない状態である。馬山市は既に13億ウォンに達する土地補償費を執行したために民間資本を求めているが、事業性も低い上に経済環境も悪化したため、なかなか投資者が出ていない。
▽執行機関間の事前協議の不在
全羅(チョンラ)北道の全州(ジョンジュ)市教育庁は、新しい学校建立による予算を節減する目的で、プンナム・グンウァン・ワンサン・ドン・ギリンなどの5つの都心地小学校の敷地の中に中学校を設立することにし、全州市に都市計画施設変更決定告示を要請したものの、不可処分を下された。
市はこの中で4校が同一の1学群に偏重しているため、郊外地域の学生が都心に長距離通学をせざるを得ない不便さを被る。また、当初、中学校の新設を約束したソゴク地区などの新興開発地の住民の反対が甚だしいため、これは許可できないと説明した。市教育庁は既に設計費として支払った4億5000万ウォンを無くしてしまったわけである。
▽無計画的な予算の執行
済州(チェジュ)道の西帰浦(ソキポ)市は、トイレ文化を改善するとの名目で、来年度予算3億4000万ウォンを投入してチョンジヨン滝の駐車場の側にある29坪規模の公衆トイレを撤去して新しいトイレを建てようとしたが、先月、計画を変更してしまった。
それは、1998年韓国観光公社で実施した全国72公衆トイレに対するコンテストで優秀賞を受賞するほど既存のトイレが立派だったとの指摘が出始めたため、改補修の方に方針を変えるようになったのだ。
▽専門知識の不足
蔚山(ウルサン)市は梨果樹園近くの道路脇に並木として山桜を植えた。しかし、蔚山の梨を輸入するアメリカ側から「山桜が梨の病害虫を移す」との指摘を受けたため、植えて2年も経たないうちに並木を交換してしまった。
市は1998年3月、7800万ウォンを投資してウルジュ郡ソセン面ファサン里〜オンヤン面バル里までの道路脇6km区間に山桜805本を植えた。しかし、去年、蔚山梨の輸出協商を進める中で、“梨の果樹園から半径200m以内には山桜属食物(桜、桃、スモモ、梅桃、梅)などの病害虫を移す奇主食物は植えてはならない”との米国側の要求があったため、先月26日から5000万ウォン余りをかけて山桜を一本も残さず他のところへ移し植える一方、ここには6600万ウォンをかけて銀杏620本を植えた。
これに対して市は、「山桜が梨の果樹園に病害虫を移す事を知らずに並木を植えた」と解明した。






