与党民主党を‘朝鮮労働党2中隊’であると非難したハンナラ党の金容甲(キム・ヨンガプ)議員の発言が不適切であったことについては説明が必要なかろう。その上、金議員が自身の発言の根拠を‘タクシーの運転手による話’だと言い訳しているのは、国会議員としての資格や基本的な品位にそぐわない態度であると言えよう。
しかし金容甲発言よりも心配なのは、不適当な発言に対する与党の過敏な反応だ。民主党は金議員発言の速記録の削除と、本人による謝罪、ハンナラ党の金議員の出党など、応分の懲戒措置を要求している。これに対しハンナラ党は速記録の削除を国会議長に委任し、総務が遺憾を楓セするなどの線で解決することを求めている。
繰り返すようだが、我々は金議員が南北問題をどう見ているかや、一部韓国社会の考えがどうであるかはどうでもいい。ただ、不適当な発言によって国会跛行という結果をもたらしたことに対する擁護できない。金議員は李会昌(イ・フェチャン)総裁の遺憾を受け入れるという意味でも謝罪するべきだ。その上、党の総裁が遺憾の意を楓セしたにもかかわらず、ハンナラ党議員の一部が「胸がスッとした」というような反応を見せていることも、やはり適当ではない行為だと思われる。民族の運命と直結する南北問題に対し、自分の考えや思想がどうであれ、政治家には慎重かつ節制された発言が要求されるということを認識しなければならない。
しかし与野党間の妥協がどの線で行われるかは分からないが、民主党が金議員の出党まで要求するということは度を超している。民主党の議員総会から出てきた我々を敵として見ている人と共に国政を論ずることはできないといった式の黒白論理でもって強情を張ってはならない。いわゆる南北問題と関連した南南葛藤の問題は、葛藤それ自体よりも葛藤を解決しようとする国民合意の努力を怠ったことにある。南北問題を見る韓国社会の見方は、極右から極左まで幅広い。重要なことは社会の様々な意見を受け入れ、国民的なエネルギーとして花咲かせることだ。これこそ指導者と政治が行わなければならないことである。 金容甲発言による波紋も、このような大きな枠内で解決しなければならない。
何にしろ、不適当な発言により国会跛行がもたらすというような事態は二度と起こってはならない。経済は再び危機に陥っており、国民は不安な状態だ。検察首脳部の弾劾訴追、公的資金調査など、国会が話し合わなければならない課題は山積している。このような御時勢に、国会は1日であれ休む暇などないはずだ。






