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[社説]ダライ・ラマの訪韓、なぜできないのか

[社説]ダライ・ラマの訪韓、なぜできないのか

Posted September. 21, 2000 12:09,   

11月16日に予定されていたチベットの仏教指導者であるダライ・ラマの訪韓をめぐって、彼を招待した仏教界と外交通商省間の葛藤が深化している。ダライ・ラマの入国について積極的に検討するとしていた外交通商省が突然態度を変え、「時期を再考してほしい」と訪韓準備委員会に要請してきたのである。

理由は、彼の訪韓を前後して中国の総理がソウルを訪問するなど外交日程上、時期を得ていないということだ。しかし、宗教界と市民団体による「ダライ・ラマ訪韓準備委員会」は、一昨日公式的に発足し、計画どおりに推進する意志を明らかにした。

ダライ・ラマは89年ノーベル平和賞を受賞した宗教指導者である。チベットの亡命政府を導いている「政治関係人物」ではあるが、世界を駆け回りながら物質文明に浸っている現代人に仏教の慈悲と霊的世界を知らせることにも努力している。ダライ・ラマの訪韓は、以前にも進められたことがあるが、中国との外交関係を意識した政府の反対で毎度実現できなかった。

今回の外交通商省の突然とした態度の変化も、この間在韓中国大使が、「ダライ・ラマの訪韓で両国の国交が断絶されるようなことはないだろうが…」という脅威に満ちた発言をしたためと見られる。

しかし、訪韓を防ぐための明確な理由がないことは外交通商省としてもよくわかっているはずだ。ダライ・ラマがこれまで訪問した国と比べてみるとそのことが一層明らかになる。ダライ・ラマがこれまで訪れた50カ国はほとんどが中国と国交を樹立している国であった。それも個人的にではなく、国家や議会の招待による公式的な訪問が大半だった。

今回の韓国訪問は、完全な民間レベルで行われるものである。韓国内での日程もほとんどが講演や宗教関連の行事である。政府がこのような「制限的」な訪問さえも認めないのであれば、中国に腰が低すぎるのではないかと批判されても仕方がない。

もちろん、国益のレベルで時期がよくないという政府の主張が全て間違っている訳ではない。中国がチベット問題にかなり敏感な反応を見せているからだ。しかし、外交通商省が訪韓準備委員会に「協力」を求めた事はその方式が堂々としておらず、説得力に欠けている。別の対策も無くただ漠然と「時期を再考してほしい」と要請したからだ。

言葉通りからすると今回はだめだが、次は許可するということなのか、それとも今回に限ってのことなのか非常に曖昧でならない。

ダライ・ラマの11月の韓国訪問は必ず実現されるべきである。多くの韓国人が彼に会いたがり、ダライ・ラマも韓国訪問を強く希望している。