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[コラム] 政治資金、マネー・ロンダリングから防げ

[コラム] 政治資金、マネー・ロンダリングから防げ

Posted September. 08, 2000 12:43,   

秋の定期国会では、マネー・ロンダリング法案が少なくとも2種類以上提出される見通しだ。38市民団体は6日、「腐敗防止立法を促す市民連帯」を結成し、同日、これまで検討してきたマネー・ロンダリング防止法案(市民連帯案)を国会に対し、正式に立法を請願した。まもなく政府と民主党が共同でまとめた法案も今回の定期国会に提出されるという。

韓国のマネー・ロンダリング総額は年間54兆ウォンから169兆ウォンに達していると推算されており(韓国刑事政策研究所《1990年代の韓国のマネー・ロンダリング分析》)、不法資金問題は深刻な状況に置かれている。マネー・ロンダリングとは不法的にもうけられた犯罪収益を合法的な資金としてだまし変える全過程を指す。多くの不法資金は賄賂や非公式的な政治資金と深い関わりを持っている。韓国の場合、マネー・ロンダリングに関する禁止規定がまだ定まれておらず、不正な方法でもうけたお金を隠したり、それをまるで合法的な収入であるかのようにカムフラージュすることも容易だ。

現行のような金融実名制度の下で行われているマネー・ロンダリングの方法は多数あるが、中でも金融機関の職員の黙認や幇助下で行われる場合もたびたびある。小切手で入金したのに現金で入金したことにする方法もあれば、Aの口座にあるお金をBの口座に入れ変えるに当たってお互いつながっていない現金出金及び現金入金が行われたように操作し、相互連結を絶つ手も使われかねない。マネー・ロンダリングを防ぐためには、法案作りばかりでなく金融機関職員のモラルも必要だ。

マネー・ロンダリング防止法(案)は、不法資金の流れを絶ち、金融取り引きを透明にするための制度であるため、腐敗防止法(案)とは別の法案としてまとめられる予定だ。市民連帯の法案では、金融機関で2千万ウォン以上の現金の取り引きが生じた場合、金融機関がこれを30日以内に国税庁に通告することになっている。金融機関が国税庁に通告しない場合は、懲役刑か罰金刑も付加できる。政府案には、2千万ウォンよりも、はるかに高額の場合に限って、国税庁に通告することになっているという。聞かれるところでは、国会では、はじめから国税庁への通告義務をなくし、金融機関が高額の現金取り引きに関した記録を5年間保存することですませる線にまで後退するという。米国法には1万ドル以上の金融取り引きは国税庁に申告することが義務づけられ、マネー・ロンダリングの収益自体も没収するよう規定している。

最近の報道によると、政府がまとめているマネー・ロンダリング防止法(案)には、政治資金が適用対象から除外されるという。財政経済省は来年に施行される第2段階為替自由化を控え、不正資金の流出入を防ぐため、必ずマネー・ロンダリング防止法を制定すべきだと強調し、政治資金部分は今回の立法から除外すべきだとの方針を固めているといわれる。政治家らの反応はまちまちだ。政治資金の洗濯問題だけは規制してほしくないと思う議員らと、クリーンな政治風土に向け、政治資金のマネー・ロンダリングも規制すべきだという議員らが公開的に論争を繰り広げている。

韓国で不正腐敗がもっとも激しいセクターが政治圏だという事実は誰もが知っているはずだ。不正な資金の流れを絶つマネー・ロンダリング防止法を制定するにあたり、もっとも規制の必要な政治資金を除くとしたら、その法案の存在意味はどこにあるのだろう。同法案が腐敗防止に効果的に作用するようにするためには、かえって不正な政治資金の選択から禁ずるべきだ。政治資金のマネー・ロンダリング防止法を同時に提出しない限り、マネー・ロンダリングの中で、政治資金のみを例外にする事は許容されまい。

先進国は腐敗防止の先端方法として「内部非理申告システム」と「マネー・ロンダリング防止システム」を共に採択している。今回の定期国会を期にマネー・ロンダリング防止法が通過され、韓国が国際犯罪資金の洗濯場だとの不名誉も払拭し、韓国社会の腐敗を遮断できる浄化システムも備えてもらいたい。

不法資金の洗濯を防ぐためには、高額の金融取り引きに関する国税庁への通告が必ず義務づけられるべきだ。その上、万が一、政治資金に対してのみこの法が適用されないようにするため例外規定を設ける事もあってはならない。