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<社説>失業率低下と雇用の質

Posted July. 21, 2000 21:34,   

6月の失業者数(79万3千人)と失業率(3.6%)が国際通貨基金(IMF)経済危機以降、一番低い数値を記録した。去年2月の失業率8.6%・失業者数178万人を頂点として、少しずつ減り続け、これだけ状況が好転しているのは、持続的な経済回復と農漁業・建設部門など季節的要因によることが大きい。社会全体に重くのしかかっていた失業危機からいったん脱し、この先失業率が4%前後に安定するだろうと見られており、この程度であれば上出来である。

失業危機から脱したからには、雇用政策の目標を単純な失業率低下から雇用の質を改善する方向に転換しなければならない。景気が回復してからも雇用市場の不安定性を改善しようとの苦心が全くみられない。経済危機以前30〜40%であった、臨時職・日雇い・時間制・派遣制・請負制など非常勤労働者の比率が上がり続けており、全体の労働者の二分の一を越える53%を占めている。

労働市場の柔軟性を追求する過程で、非常勤の割合が増えた側面もあるが、あまりにも増えてしまうと、結局貧富の格差を拡大し、社会の安定を害することになる。政府と企業はある程度、生活を維持できる水準で、非常勤労働者の所得と労働の権利を保障するよう努力しなければならない。

長期失業者が増え、貧困線以下を占める低所得層が増加していることも大きな問題だ。1年以上の長期失業者が先月より5000人増加し、全体の2.5%、2万人に達している。失業期間が長くなれば、それだけ救済費用もかかり、失業対策プログラムもなかなかはかどらない。長期失業の固定化を防ぐ努力がただちに必要である。

20・30代では失業者が減少しているのにくらべ、40・50代では減っていない。40・50代は情報化についていけず、新たなベンチャー企業などに再就職することが難しい。また職務中心の中途採用が活性化しない韓国企業の古い雇用体質が中年層の再就職を難しくしている。政府は失業者数を減らすための公共事業を減らすかわりに、知識型経済に適応できるように、中年失業者の就職訓練を強化することが必要だ。

女性の経済活動参加率は49.3%とアメリカの60%に比べあいかわらず低い。国民所得水準に合わせて、女性の職場創出と均等な雇用の機会の保障にも関心を寄せなければならない。

地域別で見ると、ャEル(3.9%)に比べ、失業率が高い釜山{プサン}(5.9%)・光州{ガンジュ}(5.2%)など地方の拠点都市の経済活性化および失業対策にも目を向けなければならない。