韓国政府の中央部署のある幹部は,このたび「もう嫌だ」という話しを連発している. 念願の局長昇進も達したし,もうこれから「仕事だ」というところ,周りには一緒に仕事の出来そうな人が一人もいないからだ.
むしろ,聞かされることは「言われてもないのにみずから仕事をやるな」「現政権の忠誠派と焼き付けられると2年半後には危ない」等 ,「ぞっとするアドバイス」ばかり。
金大中(キム・デジュン)政府任期の折り返しを迎え,公務員社会に「傍観病」
がますます深くなっている.権力の動向に敏感な高位公務員であればあるほど
このような病症は深刻だ。
公務員の「身の回りの気を付け」は,過去政権でもあった現象。
しかし最近は*昇進や引き抜かれも気になる*熱心に仕事をするなと言うようになる
*地域に偏った人事で組織なかの葛藤が酷くなる一方で,公務員自分自身らも舌を巻くくらい。
<昇進、抜かれても嫌だ>
このごろ、青瓦台(大統領官邸)のある首席秘書官室の秘書官後任者を決める時、候補に上がった経済部署の局長級幹部らがさまざまな理由を上げながら「行けない」と表明した。
結局、特定局長と決まったが、周りからはお祝いの言葉より「まもなく飛ばされる」と可哀相な目でみられたという。
これを、経済部署のある高位公務員は「本部職員らが、「政権終盤に引き抜かれて出るのは嫌」と踏ん張る雰囲気の延長線上で考えれば良い」と説明してくれる。
多数の公務員らは、引き抜かれは勿論「職級社会所属員の念願」と言えよう、昇進に対して受け身的な姿勢をとってている。
総理室のある管理官(1級)は「過去のようだったら、昇進を目前にした課長級以上公務員らが、上司を相手にして「働きかけ」をしたはずだが、最近には全くそんな姿はみられない」とし、「他の部署も似ている模様だ」だ話した。
統一部のある副理事官(3級)は「上役の目に入って、要職に抜擢されたって長くて2年半。 次の政権で不利益を受けるかも知れない。 敢えて頑張る必要はないというのが一般的な雰囲気」といいながら、「今の政権に忠誠しているのは特定地域出身を中心とした一部公務員だけ」と話している。
はじめから海外勤務や研修を希望する公務員もいる。
外国で2年ほど休んできたら「人事葛藤」を経ずに、「次期政権での不利益」を受ける可能性も少なくなるということ。
<信義ありげに仕事をすると危ない>
最近、政府総合庁舎公務員の間には「3ゴー」という言葉が流行っている。
「伏せておき、後回し、留め込み」が「3ゴー」のこと。
これは、ニンニク交渉のように問題があることは熟知しているものの、後に
悩みの種になりそうなことは一端伏せて置く。
医薬分業のように解決案を出しても世論からの批判を受けそうなことは後回しする。
周りが何か働こうとしたら、それで問題になるかと思って留めとくとのことだ。
実に、官僚の間では「3ゴー」という雰囲気が蔓延している。「上役」が世論と市民団体の評価にだけを気にして、働く公務員を保護してくれようともしないことから、このような状況に陥っている。
公務員らは、医療紛争や東江(ドンカン)ダム建設白紙化などが、そのような風潮に大きい影響を及ぼしたと口を揃えている。
建設交通省は、市民団体と世論に押さえられ東江ダム(ドンカン)建設を白紙化した後、洪水調節用ダムの妥当性を綿密に調査している。
しかし皆「(我々が検討したって)決定は、国務調整室水質改善企画団で決めること。。。」とし、動き出そうともしない。
建設交通省のK局長は「建交省仕事は殆ど「環境破壊」という悪口を受けがちである。 環境団体や世論に押さえられ、提案した者がむしろ困難になるのでやる気がでない」と話した。
保健福祉省のある公務員は「正当な手順や合意を経て医薬分業を進めてきたのに、利害当事者の反発があるということで退いてしまうと誰が政府のことを信用出来るのか」とし、「だから利害集団がそれぞれ<大統領と直接話す>」と言っている。
<地域偏り、落下傘人事に対する不満が多い>
言うならば、PK(釜山・慶南)出身で、経済部署で勤めている理事官(2級)
Kさんは「政権スタートの初期には、全羅道出身を重んじて人事発令しても
「政権の入れ替わりでしばらくは避けられぬ事だろう」と理解した。しかし時間が経つにつれ、その程度が深刻化している。」と話す。
彼は「最近同じ故郷仲間が集まると「もうこの政権の半分を過ぎているから後2年半我慢しよう」と互いに慰め合っているが、これから2年半をどうやって過ごせるのか先がみえない」と言った。
総理室のある局長は「多数の公務員の不満が、高位公務員の内、全羅道(ジョンラド)出身が占めている割合が、8%から27%まで延びたのにあるでしょう」と言う。「問題は各部署の主要政策を決める席を特定地域出身者が一人占め状態であるところ」と声を張り上げる。
総理室の他の人は「政府部署のスポークスマンらの出身地域だけみても
地域偏重人事の程度がわかる」と話した。
外交通商省のある審議官は「外交官らが、わりあい地域色に関係なくやっているけど、出身地域による組み分けの風潮が益々強くなっている」と主張した。






