金融労組ストがマネーマーケットに混乱をもたらさず、労組と政府間が対話をもって、早期のうちに終息したのはたいへん幸いなことであった。この程,頻発していた社会的な葛藤事件などとは違い、協商当事者らが理性的な姿勢で粘ばり強く対話を保ち続けた結実なので、より一層の成果が認められる。
紛争の可能性がある細部事項の一部が後にされた面もなくはないが,今回の協商妥結は目前の懸案である金融改革を成功させ得る重要な土台を造成したという面で高く評価できる。
まず前提条件が付随されはしたが、労政両側が金融持ち株会社法導入に合意したことは、本格的な金融圏のリストラを成立させるための手段を確保したという側面で多大なる意味を持つ。当制度は金融機関の所有構造を改善することにより、迅速に不実化した企業を整理し、銀行を国際的な趨勢に見合う大型化、専門化させ得る手段として認識されてきたためのものである。
政府がこれまでの官治金融を部分的に認め、これに対する対策を約束した部分も認められるべきものである。実際、政府の陰性的な金融支配は銀行に勤めている人たちにとって,最も大きな不満の一つであったため、これが金融機関を不実化させた要因の一つであったという労組の主張は説得力がある。従って、今回の合意を契機に、政府の金融政策執行に対する姿勢変化が要求される。
緊急な状況でないかぎり、マネーマーケットを徹底した市場の規律を適用することにより、官治システムを根絶する契機としなくてはならない。
しかし、合意内容を実践する過程において、労政両側が必ずせねばならない問題が山積されており、越えねばならない山が1つや2つではない。
協商妥結後、両側が推進すべきリストラは強制的ではなくとも、自然発生的に従事者らの犠牲と苦痛を随伴する状況が待たされており、この問題を解消することにおいて、またも当事者間に葛藤をもたらす恐れがある。労使政、皆が忍耐と包容のマインドで解決しなければならない課題だ。
強調すべきものは、リストラの結果、やむを得ず転業しなければならない従業員に、新たな職を提供できる社会的プログラムを開発することである。新たなる金融業務領域を創出することも解決策の一つであるほか、経済5段階を中心とした企業の積極的な人員収容努力も考案モデルになるだろう。
我々は,今回労政両側が示した対話の精神を保ち、忍耐強くリストラを完結してもらえるよう願いたい。金融リストラは市場経済発展のために解決せねばならない大きな課題の一つであると同時に,その恩恵を受ける者は国民であるという観点で,再度両側の推進意志を見守りたい。






