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言いたいこと言い合って終わった「手ぶら会談」

言いたいこと言い合って終わった「手ぶら会談」

Posted April. 30, 2024 08:41,   

Updated April. 30, 2024 08:41

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尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表が29日、龍山(ヨンサン)大統領室2階の執務室で初会談を行った。尹政権発足から720日が経っての会談だった。しかし、2時間以上にわたり話をしたが、様々な懸案に対する考えの相違を縮めることができず、手ぶらで別れた。大枠の意見の一致は、現在、医学部増員は避けられないという点と、今後も引き続き同様の会談を実施するという程度にとどまった。大統領就任から2年経った尹大統領と李氏の会談を通じて、何か国政の方向が変わるか大きな関心を集めたが、29日の会談の結果、大統領はこれまで見せた変化の可能性を示さなかった。

合意文なく終わった会談は、大統領室と「共に民主党」の発表を総合すると、平行線を辿った事項がはるかに多かった。総選挙の民意を確認した大統領が先に李氏に電話をかけて会談を提案したが、会談の内容からは、なぜ会おうと言ったのか理解できないほどだった。大統領が提案した与野党と政府の協議体は、李氏が「現在の国会の議論の枠組みを活用すればいい」と拒否した。李氏が要求した全国民への現金支援案は、「物価と金利、財政を総合的に考慮すると、困難な人を助けることが先であり、政府はすでに小規模事業者を支援している」と否定した。特に、総選挙の民意を反映した国政基調の変化の可能性について、同党は「大きな変化の可能性を見いだせず、残念だ」と反応した。

初の会談を民生経済会談にしたのは、国民の厳しい日常を考慮すると望ましい選択だった。しかし、そのような意図とは異なり、合意された内容がほとんどなかったという点は、今後の国政に対する国民の不安をさらに強めている。

膠着した政治を解くための議論も平行線を辿っただけだ。李氏は、海兵隊のチェ上兵捜査外圧疑惑をめぐって特検法が避けられないとし、尹大統領は「高位公職者犯罪捜査処の捜査結果を見て判断する問題」と答えた。同党が昨年強行処理したが、大統領の拒否権で白紙撤回された糧穀管理法、放送3法も同様の結論になった。李氏は「民主党が再推進する際、大統領は拒否権行使を控えてほしい」と要請したが、「予算の浪費と政争の拡大を防がなければならないという点では変わらない」という尹大統領の回答で、議論の進展はなかった。

双方は、会談を再び開くことで意見が一致したが、具体的な時期などは約束されなかった。そのため、与野党間の意思疎通の突破口を開いたという29日の会談の意味は半減するしかない。極端な政治対立の中で残りの任期3年間、「与小野大」の国会を相手にしなければならない大統領としては、このような会談がもっと必要な立場だ。にもかかわらず、次回の会談の時期を決められなかったということは、双方の会見よりも両者の溝が大きかったのではないかと推測される。