金建希(キム・ゴンヒ)特別検察官法が28日、国会で可決された。共に処理された「大庄洞(テジャンドン)50億クラブ」特検法とともに「双特検法」と呼ばれる2つの法案は、与野党の合意なく可決された初の特検法だ。与党「国民の力」議員たちは採決直前に退場した。金建希特検法は、2009~12年のドイツモーターズの株価操作に金氏が関与したかどうかを明らかにすることが核心だ。この事件は、文在寅(ムン・ジェイン)(2年)・尹錫悦(ユン・ソクヨル)(1年半)検察が捜査したが結論を出せず、捜査の中間発表もなかった。
大統領室は、法案が可決されると、「双特検案が政府に移送されれば、大統領は直ちに拒否権を行使するだろう」と明らかにした。通常、法案を受けると、15日以内に公布するか、拒否権を行使しなければならない。「即時拒否」の表明は、15日を待つ必要はないという意味だ。「特検法の条文を一部修正した後、総選挙後に実施しよう」という与党の一部の構想にも反対の考えを示している。
尹氏は、公正と常識にもとづいた聖域なき捜査をしてきた。国家情報院のコメント事件や曺国(チョ・グク)元法務部長官の捜査は、朴槿恵(パク・グンヘ)元大統領、文在寅前大統領を狙ったものだった。大統領夫人という理由で特検を避けることができるなら、どう説明すればいいのか。また、最近の世論調査を見ると、「大統領の拒否権行使に反対する」という回答が60~70%にのぼることが分かった。分裂した政治状況で論争的な事案にこのような回答が集まったことはあまりなかった。この民心の重みを無視することは難しいということだ。
来年4月の総選挙を指揮しなければならない韓東勲(ハン・ドンフン)「国民の力」非常対策委員長も頭の中は複雑だろう。28日に退場したのも、拒否権が行使された後、いつでも起こりうる国会の再議決の際に無記名投票に出るのも「国民の力」だ。この党を率いる韓氏は、政治革新に向けて自己犠牲を強調し、総選挙不出馬を宣言した。「先民後私」を特に強調した。国政を正す自己犠牲に大統領夫妻も例外ではないだろう。
尹大統領は、拒否権の表明とは別に、今後参謀たちと話し合い、韓氏とも意見を交わすだろう。特検の日程を見ると、最大野党「共に民主党」がこれを政治的に活用しようとする意図は明らかだ。しかし、程度の差だけで、過去の特検法も常に政治的だった。大統領は、与党が「民生とは無関係な総選挙用の政争立法」と主張するにもかかわらず、なぜ世論の支持が多いのか考えなければならない。金氏に対する否定的な視線が支持層の間にも存在し、1年以上にわたって大統領室がこれを正そうとしなかった理由も問う必要がある。
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