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八十の老作家が探究した「金の前に立つ人間」

八十の老作家が探究した「金の前に立つ人間」

Posted November. 21, 2023 09:06,   

Updated November. 21, 2023 09:06

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「金が人間をどのように拘束し、支配するのか。これが人間の実体を明らかにする鍵だと考えました。果てしなく引き起こされる悲劇的な現実、これはどこから生じたのか。私の生涯にわたって考えた金にまつわる人間の本性と欲望を探究しようと思いました」

長編小説『黄金の紙1・2』(へナム)を出版した作家の趙廷来(チョ・ジョンレ)氏(80・写真)は20日、ソウル中区の韓国プレスセンターで開かれた記者会見でこのように語った。200字原稿用紙約1800枚分の今回の小説は、金をめぐる人間群像の悲劇を描いた。『千年の質問』(2019年)以来4年ぶりの長編だ。

趙氏は「作家の言葉」で、「私たちの幸せと不幸を左右するものは何だろうか」「私たちが持っていなければ人間としての品格を奪ってしまうものは何だろうか」など13の問いかけで本を始める。趙氏は、「金から自由な人は誰もいない」とし、「金の前であなたはどんな人間なのかを読者に問いたかった」と語った。

小説は金の前に立つ人間の姿を赤裸々に描いている。生涯ためた金が入った通帳を布団の下に隠したまま亡くなった人など、14の物語がオムニバス方式で展開される。小説は一方で、金にがんじがらめの人生から抜け出す方法を探る。

趙氏は「次の本が私の人生の最後の作品になるだろう」と語った。「デビュー60年(2030年)に人間の魂の根源を探究した作品を発表して引退するのが作家としての願い」と話す。趙氏は、「今回の作品を終えるやいなやすぐに新しい作品の準備に取り掛かった」と話した。


イ・ソヨン記者 always99@donga.com