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大洪水被害のリビアに国際救助隊到着、「死者は最大2万人の可能性」

大洪水被害のリビアに国際救助隊到着、「死者は最大2万人の可能性」

Posted September. 15, 2023 08:19,   

Updated September. 15, 2023 08:19

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ハリケーンの「ダニエル」に見舞われた北アフリカやリビア東部地域の大洪水の死者が6000人を超えた。死者は2万人にまで増える可能性もある、という見通しも出ている。

14日、カタール国営放送アルジャジーラによると、同日までにリビア当局が発表した死者は6000人余りだ。しかし、リビア東部の中で最も大きな被害を受けたデルナのアブドルメナイム・ガイシー市長は、サウジアラビアの国営放送アル・アラビヤとのインタビューで、「今後、死者は1万8000人から最大で2万人に達する可能性がある」と述べた。1万人を超えると推定される行方不明者が、水に流されて海に流されたり、倒壊した建物の下敷きになっているからだ。人口約12万5000人のデルナで、住民6人に1人の割合で命を失う可能性があるという意味だ。

現場で救援活動ネットワークを率いるパリス・アルタイェフ氏は、前日、「私たちが見た光景は、想像すらできなかった」とし、「海には遺体が浮かんでいて、家族全体が押し流されてきたように父親と息子、兄弟の遺体が幾重にも積まれていた」と米ニューヨークタイムズ(NYT)に伝えた。収拾した遺体を処理する人もおらず、条件も整っておらず、病院の外の歩道には遺体が並んでおり、泥で覆われた街のあちこちには、根こそぎ木や転倒した車などが散在しているという。遺体を覆った毛布を覗き見ながら、家族を探す人もいると、NYTは報じた。

世界各国は、救援に拍車をかけている。ガイシ-市長は、エジプトとチュニジア、アラブ首長国連邦(UAE)、トルコ、カタールなどの救助隊が現場に到着したと明らかにした。国連は、中央緊急対応基金の1000万ドル(約130億ウォン)を救援などに使うことにし、英国とスペインは、それぞれ100万ポンド(約16億5000万ウォン)と100万ユーロ(約14億2400万ウォン)相当の緊急救援パッケージの提供を発表した。

しかし、現場の救助チームは、生存者救出よりは遺体収拾に焦点を合わせている様子だ。あちこちに広がっている遺体により、水因性疾患などが蔓延する可能性が高くなり、生存者の2次被害が懸念されるからだ。このため、遺体を数百人ずつ集団で埋葬しており、病院2ヵ所は遺体があまりにも多く集中し、事実上遺体安置室として利用されているという。

13年間の無政府状態で内戦を経験しているリビアは、行政当局の無能で、被害復旧が非常に遅い。今回の洪水で主要道路と橋が損傷し、救援物資と人員の投入が難しいうえ、進入路確保に必要な重機も不足している。国立外交院アフリカ中東研究部のキム・ドンソク教授は、「インフラと支配構造など、国家力量が不十分なアフリカ国家は、先進国に比べて自然災害後に日常回復にかかる時間が長い」として、「リビアの国民の苦痛はより一層加重されるだろう」と説明した。


ユン・ダビン記者 イ・ジユン記者 empty@donga.com · asap@donga.com