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韓国戦争参戦の元英兵士「戦争の時、多くの人がアリランを歌い、国歌だと思っていた」

韓国戦争参戦の元英兵士「戦争の時、多くの人がアリランを歌い、国歌だと思っていた」

Posted July. 26, 2023 08:26,   

Updated July. 26, 2023 08:26

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「あまりにも多くの人が『アリラン』を歌っていたので、国歌だと思っていました」

韓国戦争休戦協定70年を迎え、国家報勲部の招待で訪韓した、韓国戦争参戦兵士だった英国人のコリン・サッカレーさん(93)は、英国軍所属で釜山(プサン)の地を踏んだ73年前のことを思い出した。サッカレーさんは24日、ソウル市松坡区(ソンパク)のホテルで記者団に対し、「ともに服務していた韓国兵がアリランをよく歌っていた。初めて聞いた時は子守唄だと思った」と話した。

2019年、英国のオーディション番組「ブリテンズ・ゴット・タレント」(Britain's Got Talent)で最高齢で優勝し話題になったサッカレーさんは、27日に釜山で開かれる「休戦協定70年及び国連軍参戦の日記念式」でアリランを歌う予定だ。サッカレーさんは、「当時習った歌詞と発音を正確に覚えて歌えたらいい」と話した。

●「もう一度選べと言われたら、同じ選択」

サッカレーさんは1952年に帰国するまで多くの戦闘を経験した。共に参戦した6人の戦友のうち4人を失った。サッカレーさんは、「韓国に配属されてすぐに行ったのが『水原(スウォン)』だったと記憶している」とし、北朝鮮軍を「テロリスト」と呼んで、「テロリストたちは民間人女性、子どもたちを銃で脅して怖がらせた」と話した。サッカレーさんは、英国軍グロスター連隊600人が中共軍3万人と壮絶な戦いを繰り広げた臨津江(イムジンガン)戦闘の現場にもいた。「中共軍が多いと聞いていたが、どれほど多いかは分からなかった。本当に幽霊のようにたくさん現れた」と当時の状況を伝えた。

90代と高齢の元兵士らは、軍人として国の命令で韓国戦争に参戦したが、韓国行きを後悔したことはないと口をそろえた。米国人元兵士のウィリアム・ウォードさん(91)は、「陸軍歩兵正規軍に入った時、欧州とアジアのうち服務地域を選択することができた」とし、「当時、アジアを選択したのが人生で下した最も良い決断だった」と話した。そして「もう一度選べと言われても、喜んで同じ選択をして参戦する」と話した。この言葉を聞いたカナダ人元兵士エドワード・バークナーさん(91)もうなずき、親指を立てた。バークナーさんは当時を思い出し、インタビュー中ずっと涙を流した。バークナーさんは、「戦争中に出会った韓国の人々はいつも親切で感謝の気持ちを伝えた。韓国は本当に美しい国だ」と話した。

ウォードさんとバークナーさんは、戦場で出会った韓国の少年たちを探している。ウォードさんは当時、釜山キャンプで毎日自分の洗濯をしてくれた12歳の少年「チャン(Chang)」を探すため、70年以上大切にしている写真を持ってきた。ウォードさんは、「チャンとその家族は本当に誠実に働き、最後まで勇気を失わない人たちだった」とし、「80歳を過ぎただろう。私のことを覚えているだろうか」と話した。バークナーさんも当時、監視所の掃除をした「チョ・チョクソン(Cho Chock Song)」という少年の写真を見せ、「当時、私は19歳だった。この友人は私より若かっただろう。70年以上経ったが、この友人は絶対に忘れられない」と涙を流した。

●参戦兵士が故郷に送った「アリランスカーフ」を復元。

休戦協定70年を迎え、戦争当時に記念品として制作されたアリランスカーフも70年ぶりに復元された。国家報勲部は、国連軍兵士らが母国の母親や妻に送ったアリランスカーフを復元し、27日に釜山に集まる22の参戦国代表に贈る予定だ。「連帯の象徴」アリランの楽譜が含まれた1951年の原案がそのまま復元されたスカーフには、韓半島の地図と参戦国の部隊マークの間にアリランの楽譜と英語に翻訳された「A ARIRANG SONG」のタイトルが入れられた。

戦争当時、アリランが国軍と国連軍を結びつける媒介となり、1951年のスカーフにもアリランの楽譜と歌詞が入れられた。サッカレーさんのように国連軍は生死を共にした韓国軍の戦友からアリランを習った。異なる国籍の国連軍は戦場で一緒に覚えたアリランを口ずさみながら連帯し、米第7師団は軍歌としても採用した。


申圭鎭 newjin@donga.com