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「強行→拒否権→否決」の連鎖、このような消耗戦は一度で十分だ

「強行→拒否権→否決」の連鎖、このような消耗戦は一度で十分だ

Posted April. 17, 2023 08:46,   

Updated April. 17, 2023 08:46

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尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が拒否権(再議要求権)を行使した糧穀管理法改正案が13日、国会再議の結果、否決された。最大野党「共に民主党」は同日、看護法制定案の処理も試みたが、金振杓(キム・ジンピョ)国会議長が本会議の上程を延期したものの与野党の合意が成立せず、同党が強行処理する場合、糧穀管理法のような状況が再び起こる可能性がある。国会で過半数の議席を握る同党の単独処理、大統領の拒否権行使、再議決での否決といった消耗的な対立が無限に繰り返される場合、国民生活の懸案が後回しになることが懸念される。

糧穀法改正案は先月末、同党の直回付で国会本会議を通過したが、大統領が拒否権を行使して国会に戻った法案だ。再可決するには在籍議員の過半数の出席と出席議員の3分の2以上の賛成が必要だったが、同党は本会議の再議決を試み、必要な定足数を満たせなかった。朴洪根(パク・ホングン)同党院内代表は、「諦めない」と話した。同党は、政府与党が反対している「余剰米の政府義務購入」を盛り込んだ新糧穀管理法の発議を検討している。

看護法制定案は、看護師団体と他の職群医療団体の間の意見の相違が大きな法案だ。金氏は、「与野党協議を経て合理的な代替案を設けてほしい」と述べ、次の本会議に採決を延期した。同党は何としても原案通り処理しようと意気込んでおり、強行→拒否権→否決の過程が再現される可能性が高い。

問題は、まだ始まったばかりだという点だ。同党は、公共放送の支配構造を損なう恐れが大きな放送法改正案を本会議に直回付した状態だ。違法ストによる損害に企業が賠償を請求する権利を事実上無力化する「黄色い封筒法」も直回付することが予想される。金氏が「直上程する法案がどんどん増えて心配だ」と看護法処理を延期したのもこのような理由からだ。

同党は立法独走を止める気はなく、政府与党は「与小野大」局面の打開に向けて野党に手を差し出す考えを示さない。このような状況で、法案をめぐる社会的葛藤はますます増幅している。国会では巨大野党の主導で法案を一方的に通過させ、大統領はこれを拒否し、再び野党が再議決を試みて失敗するといった消耗戦は国力の無駄だ。国会の権威失墜も避けられない。このような立法消耗戦は一度で十分だ。深刻な国民生活の問題解決の場に戻らなければならない。