Go to contents

習主席とプーチン大統領が協力をアピール、ウクライナと台湾の情勢巡り不安定化高まる世界

習主席とプーチン大統領が協力をアピール、ウクライナと台湾の情勢巡り不安定化高まる世界

Posted March. 22, 2023 08:37,   

Updated March. 22, 2023 08:37

한국어

ロシアを訪問した中国の習近平国家主席がプーチン大統領と会談し、両国の蜜月をアピールした。両首脳は、19日の首脳会談に続き、20日の夕食会を兼ねた4時間半の非公式会談で、経済協力をはじめとする両国関係の強化について話し合った。プーチン氏は、「両国は多くの共通目標がある」と習氏に敬意を表し、習氏は「ロシアは信頼できるパートナー」と述べ、プーチン氏の長期政権を支持する異例の発言までした。

首脳間の「ブロマンス」を前面に押し出した中国とロシアの結束は、米国中心の西側陣営に対抗する戦略的次元で推進されている。戦争の長期化と国際社会の高強度の制裁に直面しているロシアは、中国との経済協力が切実だ。米国と覇権競争を繰り広げている中国も、反米連帯の味方としてロシアを引き寄せている。中国がロシア産の原油やガスを購入し、両国の貿易量は30%以上増加した。両国は今、軍事分野での協力も本格化する構えだ。

中ロと欧米の陣営争いは、グローバルな安保不安を煽る可能性が高い。中国とロシアの対米共同戦線に北朝鮮やイランが加われば、核の脅威も高まるほかない。中ロの結束はアジアの安全保障の起爆剤である台湾にも影響を与える変数だ。ただでさえ「今後5年以内に中国の台湾侵攻」の可能性が提起されている。ロシアが戦争に勝利した場合、「安全保障の傘」を提供するという米国の意志を誤って判断した中国が台湾の武力占領に乗り出すという観測が流れている。韓国にも少なからぬ影響をもたらす問題だ。

習氏がロシア・ウクライナ戦争の仲裁に乗り出すというが、成果を出せるかは疑問だ。中国が出した12項目の立場文は具体的な案がなく、曖昧な内容で満たされている。西側陣営は、「ロシア軍の撤退のない停戦は、ウクライナ領土の不法占領を認めることになる」と一蹴した。中国がロシアに砲弾やドローンなどの兵器を支援する可能性も指摘されている。この場合、中国が仲裁のふりをしてロシアの戦争犯罪に加担したという非難を避けることは難しいだろう。

中国とロシアは、域内の最大の安全保障の脅威である北朝鮮の核・ミサイル問題は解決できていない。北朝鮮への制裁を規定した国連決議を無視して安保理を無力化している両国の「国連憲章守護」の約束は空虚と言わざるを得ない。基本的な国際ルールも守らない権威主義大国の結託は、それゆえ不安になる。欧州で燃え上がった武力衝突の火種が、いつ北東アジアをはじめとする他の地域に飛び火するか分からない。しっかりとした備えが必要だ。